アメリカといえば、自由で多様な魅力が詰まった国。
でも一方で「治安は大丈夫?」と気になる人も多いはず。
特に最近は都市ごとの犯罪発生率に差が大きく、観光や滞在前にしっかりリサーチしておかないと、思わぬトラブルに巻き込まれることも…。
この記事では、最新の統計データをもとに、治安が悪いとされる州をランキング形式で紹介します。
どんな都市に注意すべきか、どんな背景があるのかまでわかりやすく解説するので、これからアメリカに行く予定の方はぜひチェックしておきましょう!
最新統計で見るアメリカ治安ワースト州ランキングTOP5
アメリカの治安は州によって大きく異なります。
FBIや地元警察の統計をもとに、特に暴力犯罪(殺人・強盗・傷害)や財産犯罪(窃盗・車上荒らし)が多い州をランキングで紹介します。旅行や移住を考えている方は、滞在エリアを選ぶ際の参考にしてみてください。
1位:ミズーリ州|セントルイスを中心とした暴力犯罪率の高さ
ミズーリ州は長年、暴力犯罪発生率が全米でもトップクラス。中でもセントルイス市は特に治安が悪いとされ、人口比で見ても殺人・銃撃事件が非常に多いのが特徴です。
地元紙『St. Louis Post-Dispatch』によると、セントルイスの殺人発生率は10万人あたり60人超え。これはニューヨークやロサンゼルスを大きく上回っています。観光客を狙ったスリや強盗事件も少なくなく、夜間の外出はなるべく避けたいところです。

2位:ルイジアナ州|ニューオーリンズの銃犯罪と貧困率
ジャズの街として知られるニューオーリンズ。しかし、銃犯罪と経済格差の影響で治安面はかなり不安定。アメリカ国内でもルイジアナ州は銃所持率が高く、銃撃事件の発生率も深刻です。
FBIの最新データによると、ニューオーリンズの暴力犯罪率は全国平均の2〜3倍以上。また、観光地であるフレンチクォーターでもスリやひったくりが頻発しています。人通りの少ない通りや深夜のバー帰りには注意が必要です。
3位:ニューメキシコ州|全米トップクラスの財産犯罪件数
ニューメキシコ州は、暴力犯罪よりも財産犯罪(窃盗・車上荒らし・空き巣)で全米ワーストの常連。特にアルバカーキでは、駐車中の車が狙われるケースが目立ちます。
「レンタカーの窓を割られて荷物が盗まれた」「ホテルの駐車場でバッグが盗まれた」といった被害報告も多く、旅行者にとっては見逃せないリスクです。車内に荷物を置いたまま離れない、というのが大原則。
4位:テネシー州|メンフィスでの殺人・強盗の多さ
音楽の都・メンフィスがあるテネシー州も、暴力犯罪の発生率が高く、特に殺人・強盗が目立つ都市として知られています。警察官の不足も深刻で、エリアによっては警察の対応に時間がかかることも。
2025年時点で、メンフィスは「全米で最も危険な都市ランキング」上位の常連。繁華街での銃撃事件や、車上荒らしなども多数報告されています。明るい時間帯でも人気のない路地には近づかないのが鉄則です。
5位:アーカンソー州|人口比で高い暴行事件の発生率
最後はアーカンソー州。全体の人口は少ないものの、人口比で見ると暴行・傷害事件の発生率が高く、実は“隠れ危険州”とも呼ばれる存在です。
リトルロックなど都市部では、薬物絡みの事件や暴力事件も増加傾向にあります。治安が悪いという認識が広まりつつある一方で、対策が進んでいない地域もあり、観光客の油断が狙われやすいともいわれています。
アメリカの治安が悪化している背景と州に共通する特徴

アメリカで治安が悪い州には、いくつかの共通点があります。
ただ「危険な地域があるから避けよう」ではなく、なぜそうなっているのかを知ることで、より的確な予防や安全対策が取れるようになります。
銃の所持率が高く銃犯罪が発生しやすい
まず大きな要因のひとつが、銃の所持率の高さ。銃の所持はアメリカ合衆国憲法修正第2条で保障されており、州によっては非常に緩い規制で購入・携行が可能です。
特にミズーリ州やルイジアナ州など、南部や中西部に位置する州では、銃を合法的に所持している人の割合が高い。結果として、ちょっとしたトラブルや衝突でも、銃が使われるリスクがあるのです。
さらに、これらの州では銃犯罪が家庭内やストリートでも日常的に起こりやすく、警察の対応も追いつかない状況が続いています。
警察官不足と都市部での治安維持の限界
次に注目すべきは、警察官の人手不足です。近年アメリカでは、警察の予算削減や職員の離職率上昇により、パトロールや捜査のリソースが不足している都市が増えています。
例えば、メンフィスやニューオーリンズでは「警察の到着が遅い」「事件があっても対応してもらえない」といった声がSNSや市民から多数上がっています。これは、予算の問題だけでなく、警察への信頼低下や制度の限界も関係しているのです。
結果として、都市部の犯罪が放置されやすく、被害が連鎖する構図ができあがってしまっているのが現状です。

貧困率・教育水準の低さ
治安の悪化には、経済的な背景も深く関係しています。ルイジアナ州やアーカンソー州のように、貧困率が高く、教育水準が低い州ほど犯罪率が高い傾向にあります。
仕事が見つからない、生活が安定しない、教育機会が少ない…
こうした環境が、犯罪へのハードルを下げてしまうのです。特に若者層でこの傾向は顕著で、暴力や薬物、窃盗などに走るケースが報告されています。
つまり、これらの州での犯罪多発は「たまたま」ではなく、社会構造や地域格差が生み出している問題だということがわかります。
アメリカ旅行・滞在時に注意すべき都市と避けたい行動エリア
アメリカ旅行で気をつけるべきは、「治安が悪い州に行かないこと」だけではありません。
州の中でも特定の都市や地域、時間帯によって治安がガラッと変わるため、より具体的なエリア情報を把握しておくことが大切です。
セントルイス、バトンルージュ、メンフィスなど特定都市に集中
先にご紹介したワースト州に含まれる都市の中でも、特に治安に関して警戒が必要なのが以下の都市です。
- セントルイス(ミズーリ州)
ダウンタウンから北側のエリアは、日中でも強盗・銃撃のリスクが高いとされています。 - バトンルージュ(ルイジアナ州)
路上犯罪や薬物に関連した事件が多く、観光スポットの裏手に入るだけで雰囲気が一変します。 - メンフィス(テネシー州)
観光地のビールストリートでも夜間に暴力事件が発生することがあり、特に週末は注意が必要です。
いずれも「中心街だから安全」とは限らず、メイン通りを一本外れるだけで雰囲気が変わるエリアが多いのが特徴です。
夜間のダウンタウン・公共交通機関での被害リスク
アメリカの大都市では、日中と夜で治安の印象が大きく変わります。特に注意したいのが、
- 夜8時以降のダウンタウン散策
- 人通りの少ない駅構内やバス停
- 早朝・深夜の地下鉄やバスの利用
といったシチュエーションです。
「地下鉄で財布を抜かれた」「スマホを見ていたら突然奪われた」といった被害は、時間帯を選べば避けられることも。日が暮れる前にはホテルに戻る、どうしても移動が必要ならUberやタクシーを利用するといった対策が効果的です。
観光地周辺でも油断できないゾーンの例
観光客が多く集まる場所でも、油断は禁物です。以下のような“穴場的”エリアは特に注意。
- ニューオーリンズのフレンチクォーター裏手
おしゃれなレストランのすぐそばにスラム街があり、明暗がくっきり。 - アルバカーキの旧市街周辺
日中は人通りがあるものの、夜になるとスラム化が進むエリアも。 - リトルロックの観光通りから外れたブロック
昼は賑やかでも、夕方以降は急に人気がなくなることも。
いずれも、「人が少ない場所」「照明が薄暗い場所」は避けるのが鉄則です。安心して観光を楽しむためにも、下調べと現地での警戒は欠かせません。
まとめ|アメリカで治安が悪い州を把握し、危険を避ける意識が重要
アメリカ旅行は自由でワクワクする体験が待っていますが、その一方で州ごと、都市ごとの治安の違いをしっかり知っておくことが旅の成功のカギになります。
治安の悪い州とされる地域には、共通する社会的背景や経済的要因があります。ミズーリ州、ルイジアナ州、ニューメキシコ州、テネシー州、アーカンソー州といった州では、銃犯罪や暴力事件、財産犯罪のリスクが高いことがわかりました。
しかし、だからといって「行ってはいけない」というわけではありません。正しい知識と対策、そして“その地域に合った行動”を心がければ、安全に旅を楽しむことは十分可能です。
要点を振り返ると…
- 危険とされる都市のエリアを事前に確認しておく
- 夜間の外出や人気のない道は避ける
- 移動手段は信頼できるサービス(Uberや公式タクシー)を使う
- 現地の人のアドバイスや口コミを活用する
これらの基本的な心構えを持っておけば、あなたのアメリカ旅はきっと安心で充実したものになりますよ。