東南アジアの中でも旅行先として人気が高まっているベトナム。
ホーチミンやハノイ、ダナンなどの都市にはおしゃれなカフェやフォトジェニックなスポットが多く、女性の一人旅や女子旅の目的地として注目されています。
しかし、その一方で「スリに遭った」「変な誘いを受けた」「治安が不安だった」といった体験談もあり、“ベトナムは女性にとって安全なのか?”という問いは決して軽視できない問題です。
本記事では、女性旅行者の視点からベトナムのリアルな治安事情と、避けるべき行動、気をつけたいエリア、実践的な安全対策をわかりやすく紹介していきます。
ベトナムはなぜ「女性にとって注意が必要」と言われるのか?

ベトナムの治安は、比較的安定していると言われています。
外務省の海外安全情報においても、全ての都市は「現在、危険情報は出ておりません。」となっています。
とはいえ、女性旅行者にとって注意すべきポイントは数多く存在します。これは、単なる治安の数字だけでは見えてこない、“女性だからこそ遭遇しやすいトラブル”があるからです。

スリ・ひったくりなど軽犯罪が多い都市部の現状
特にホーチミンやハノイといった大都市では、人混みを狙ったスリや、バイクによるひったくりが日常的に発生しています。バッグを肩にかけて歩いていたところ、後ろからバイクに乗った犯人に奪われた、スマホを片手に持っていてそのまま盗られた、というような被害は珍しくありません。

こうした軽犯罪は、警察に通報しても解決に至らないことが多く、旅行者自身の警戒心と事前対策が最も重要になります。観光エリアであっても油断しないことが、被害を防ぐ第一歩です。

女性旅行者が狙われやすいナイトスポットやホテルでのトラブル

夜のバーやクラブ、屋台街などでは、女性だけのグループや一人旅の旅行者が声をかけられる場面が増えます。その多くは軽いナンパ程度で済むことが多いものの、中にはしつこくつきまとわれたり、強引にホテルまで誘ってきたりするケースもあります。
さらに、宿泊先のホテルでさえ油断は禁物です。鍵をかけずに寝ていたり、ロビーで話しかけてきた人を部屋に招いたりすると、盗難や不快な思いをするリスクが高まります。宿泊先のセキュリティレベルと、自分の行動管理の両方が問われるシーンです。

外務省の危険度レベルと日本人女性の被害報告

ベトナムの危険度は、国全体としては比較的低く保たれていますが、それはあくまで“全体としての数字”です。実際には、日本人女性旅行者が被害に遭ったケースが複数報告されており、在ベトナム日本大使館や外務省のサイトでも注意喚起が行われています。
「日本人はお金を持っている」「一人で行動しているから隙がある」といった見られ方をされることもあり、日本人女性は“狙いやすいターゲット”と見なされやすい傾向があるのです。これを理解しておくことが、旅の防衛線を高めるうえで非常に重要です。
ベトナム一人旅・女子旅で起こりがちなトラブルとNG行動

どちらもベトナムでは非常に人気がありますが、女性が単独またはグループで行動することに対し、現地での距離感や文化の違いから生まれるトラブルも無視できません。
中には、日本では考えられないような誘いや接触が、思わぬ不安を呼び起こすこともあります。
ホテル・タクシー・バーでの不適切な接触や誘い
実際の体験談で多く語られるのが、ホテルやバー、タクシーでの不快な接触や不適切な誘いです。例えば、ホテルの男性スタッフがしつこく部屋を訪ねてきたり、バーで隣に座った現地の男性が執拗に話しかけてきたり、タクシーで運転手が不自然にルートを変えて誘ってくるといったケースがあります。
特に夜間や酔っているときは、相手の行動を断りづらくなったり、警戒心が薄れたりするため、こうしたタイミングでトラブルに巻き込まれる例が少なくありません。「女性だから大丈夫」「観光地だから安全」という油断こそが、リスクを呼び込む原因になります。
「親切そうな現地男性」に関わってしまうリスク

街を歩いていると、「日本語が少し話せる」「親切に案内してくれる」といった現地の男性からの接触があることがあります。最初は友好的に見えるこうした関わりも、徐々にホテルへの誘いや金銭の要求、さらには意図せぬ関係に発展するリスクを孕んでいます。
特にベトナムでは、観光客を狙って“恋愛”や“親切”を装うアプローチが少なからず存在しています。文化の違いや言語の壁を利用し、女性旅行者をコントロールしようとする人物に警戒する視点は欠かせません。
SNSで語られる“ベッド目的”のアプローチ体験談とその傾向
SNS上では、「バーで仲良くなった男性がホテルに押しかけてきた」「優しそうだったのに、急にベッドを求められて怖かった」といった“ベッド目的”のアプローチに関する体験談が数多く投稿されています。特に、一人で行動していた女性や、現地の男性に対してフレンドリーに接したことで、意図しない誤解を与えてしまったというケースが目立ちます。
こうしたケースでは、はっきり断る姿勢と、会話の段階で距離を保つ意識が重要です。「親切な人」や「フレンドリーな会話」が、急に不快な展開へと変わる可能性を前提にした行動が、自分の身を守る防波堤になります。
ベトナム旅行で女性が避けるべきエリアと時間帯
ベトナムの都市部や観光地は賑やかで活気に満ちている一方で、一歩間違えるとトラブルに巻き込まれやすい場所や時間帯も存在します。
特に女性一人での行動や、夜間の移動には注意が必要です。この章では、実際に危険度が高いとされるエリアや時間帯、そしてその背景について具体的に解説します。
ホーチミン・ハノイで警戒すべき繁華街や裏路地
ホーチミンで言えばブイビエン通り(Bùi Viện Street)、ハノイでは旧市街(Old Quarter)周辺が有名な繁華街として知られています。観光客でにぎわい、バーやナイトクラブが軒を連ねるこれらのエリアは、一見すると楽しい雰囲気に包まれていますが、軽犯罪や性的なトラブルの温床にもなりやすい場所です。
とくに路地裏に入ると人通りが一気に少なくなり、スリやひったくり、しつこいナンパなどが起きやすくなる傾向があります。昼間に訪れて安全に感じたとしても、夜になると状況が一変する場所が多いため、「暗くなったら行かない」「人気の少ない通りには入らない」という判断が重要です。
夜間の一人歩きで被害に遭いやすいスポットとは

ベトナムに限らず、夜の時間帯は犯罪リスクが高まるのが世界共通ですが、特にベトナムでは、人目の少ない道路、長距離バスのターミナル周辺、地元市場の閉店後のエリアなどが危険とされています。
夜遅くにスマホを見ながら歩いていたところをバイクで狙われて引ったくられた、薄暗い道で声をかけられて断ったら逆上された、というような事例は複数報告されています。帰りが遅くなる場合は、必ず配車アプリを使い、信頼できるルートで宿に戻るよう心がけましょう。
昼間でも油断禁物な観光客狙いのポイント(市場・交通機関など)
「昼だから大丈夫」という油断は禁物です。実際には、ホーチミンのベンタイン市場や、観光客が集まるショッピングエリア、長距離バスターミナルや鉄道駅などで、観光客を狙った犯罪が日中でも発生しています。
多くの場合、相手はプロのスリや詐欺師で、「お釣りをごまかす」「荷物に手を伸ばす」「財布を取り出した瞬間を狙う」など、手口は巧妙です。市場やバス停など、人が多く集まる場所では、貴重品は身体の前に持ち、周囲に注意を払うことが必要不可欠です。
まとめ|ベトナム旅行で「危険な目に遭わない女性」になるために
ベトナムは、豊かな自然、美しい街並み、そして親しみやすい人々が魅力の国です。物価も比較的安く、グルメやショッピングを楽しめることから、女性にとっても旅行先として非常に人気があります。 その一方で、文化の違いや治安状況を理解せずに旅に出ると、トラブルに巻き込まれるリスクも存在します。
「ベトナムの治安は女性にとって危険」と断定する必要はありません。ただし、“危険な状況に巻き込まれやすい行動パターン”が存在することは事実です。たとえば、深夜のひとり歩き、人通りの少ないエリアへの立ち入り、親切そうな現地男性への過信。これらは、ほんの少しの警戒心と知識で十分に回避可能なものばかりです。
旅の安全は、事前の情報収集と冷静な判断力によって大きく左右されます。 服装、行動、言葉遣い、宿や移動手段の選び方、そして“違和感を感じたらその場から離れる”という直感の尊重。これらすべてが、ベトナム旅行を快適で安全に過ごすための鍵です。
一人旅でも女子旅でも、正しい準備と対応さえあれば、ベトナムは女性にとっても素晴らしい思い出の舞台になります。リスクを正しく認識し、安心して自由に、自分らしい旅を楽しんでください。