広大な自然と独自の文化、美しいビーチや動物たちが魅力のオーストラリアは、日本人にとっても人気の旅行先です。
しかし、治安が良いというイメージの裏には、旅行者が知っておくべき危険やルール違反によるトラブルが潜んでいます。この記事では、
- 現地で実際に報告されている危険エリア
- 持ち込み禁止の例
- SNSで話題となった最新の注意情報
までリアルな体験談をもとに解説します。
楽しい思い出を台無しにしないために、ぜひ最後までお読みください。
【要注意】オーストラリアで注意すべき危険エリア

オーストラリアは世界的に見ても治安の良い国として知られていますが、それでも都市部を中心に「ここは避けるべき」とされる危険エリアが存在します。
旅行者が安易に立ち入ってしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があるため、事前に知っておくことが非常に大切です。
特に夜間の行動や人通りの少ない場所には注意が必要で、地元警察や現地在住者の間でも警戒すべきエリアは共有されています。
夜のキングス・クロス(シドニー)はドラッグや暴力事件の温床
シドニー中心部からほど近い「キングス・クロス」は、昼間はカフェやギャラリーなどが並ぶ活気ある街ですが、夜になるとその雰囲気は一変します。
かつて「赤線地帯」として悪名高かったこのエリアは、今でもドラッグの密売や不法滞在者による犯罪、暴力事件の多発地帯として知られています。
現地のニュースでは深夜に観光客が絡まれる事件も多く報道されており、酔った人物による通行人への暴行や、バーの外でのトラブルも少なくありません。
また、過去には薬物の影響で錯乱状態となった人物が通行人に危害を加えたケースもあり、軽視できないエリアとなっています。旅行者にとっては夜間の訪問は避け、どうしても通る必要がある場合は信頼できる交通手段を使い、単独行動は控えることが求められます。
メルボルンCBD南部では深夜にスリ・暴行が多発
一見すると整然とした印象のあるメルボルン中心業務地区(CBD)も、特に南部の一部エリアでは注意が必要です。観光地からも近いこの地域では、特に深夜帯にスリや暴行、性的嫌がらせといった犯罪が頻発しています。
観光客の財布やスマートフォンを狙った犯行が多く、酔った若者グループによる集団トラブルも問題になっています。

オーストラリアの犯罪統計でも、メルボルンCBDは州内でも犯罪発生件数が高いエリアのひとつとされており、週末の夜は特にリスクが増す時間帯です。
深夜にクラブやパブからの帰宅時は、安全なルートを選び、タクシーや配車アプリを活用するなどして、自分の身を守る意識を持つことが不可欠です。

一部の先住民居住エリアでは外部者への敵意も報告されている

観光ルートから外れた地方やアウトバックと呼ばれる奥地にある先住民アボリジニの居住地では、旅行者が歓迎されないこともあります。
すべての先住民コミュニティが危険というわけではありませんが、文化的背景や歴史的な軋轢から、外部者に対して不信感や警戒心を抱くことがあるのです。
特に、観光客が許可なく写真を撮ったり、私有地に立ち入ったりすることでトラブルに発展するケースが報告されています。
アボリジニの土地や聖地には、部外者の立ち入りが厳しく制限されている場所もあるため、事前のリサーチと現地ガイドの同伴が非常に重要です。
治安の良いイメージの裏に潜む「オーストラリア 危ない」実態

オーストラリアは一般的に「治安が良い国」として知られており、観光ガイドなどでも安心して旅行できる場所として紹介されることが多いです。
たしかに銃による凶悪犯罪は他国と比べて少なく、警察も迅速に対応してくれる体制が整っています。
しかし、実際には「ナイフ犯罪」や「酔っ払いによる暴力」など、日本人が想像していないリスクが潜んでいるのも事実です。リスクメイトやSNSなどで報告されている事件をもとに、具体的な実態を紹介します。
銃は少ないが、ナイフ犯罪が増加傾向(特に若年層)
オーストラリアでは銃規制が非常に厳しく、民間人が銃を所有することは原則禁止されているため、銃撃事件は稀です。しかしその一方で、近年ではナイフによる傷害事件が増加傾向にあり、特に10代〜20代の若者による犯罪が目立つようになってきています。
警察の統計によると、公共の場でナイフを携帯していたとして検挙される若者が増えており、その多くが自己防衛を理由にしているといいます。とはいえ、実際にナイフを使用した暴行事件も多発しており、駅のホームやショッピングセンター、公共の公園などで無差別に襲われた事例も報道されています。
銃がないから安全とは言い切れず、むしろ刃物による犯罪のほうが旅行者にとって現実的な脅威となっているのです。
酔っ払いによる暴力やトラブルが多い週末の繁華街
オーストラリア人はお酒を楽しむ文化が根付いており、特に金曜や土曜の夜はバーやパブに大勢の若者や会社員が集まります。しかし、その反面、深酒によるトラブルも非常に多く、酔った勢いでの喧嘩や暴力事件が後を絶ちません。
夜8時頃、覚醒剤(マリファナ)を吸った現地人に追いかけ回されました。リスクメイトの投稿より
繁華街では、道端で寝込んでしまっている人や、口論から暴力に発展するケースもよく見られます。観光客がその場に偶然居合わせたことで巻き込まれることもあるため、夜間の外出は注意が必要です。現地では「Lockout Law(ロックアウト法)」と呼ばれる、深夜営業制限の法律が導入された都市もあり、一部では飲酒に関する規制が強化されていますが、依然として夜の繁華街には危険が潜んでいると言えるでしょう。
地元のSNSで注意喚起された最新の危険スポット事例

最近では、FacebookグループやX(旧Twitter)などのSNS上で、地元住民による「危ない場所」や「最近起きた事件」に関する情報共有が盛んに行われています。
旅行ガイドには載っていないような細かな注意点や、特定の駅周辺で頻発しているスリや暴力事件の報告など、リアルな体験談を通じて、現地の治安感覚を知ることができます。
たとえば、
公園の至る所に無料でBBQができるグリルが置いてあるアデレード。 留学中複数人でBBQを楽しんでいたが、その公園に住んでると思われるホームレスの人達に石をたくさん投げられた。 全力で逃げ無事だったが、アデレード付近には数人で固まったホームレスが多かった印象。 夜のバスに集団で乗り込んできて叫んだりと比較的治安が良い地域だが、たまに怖い思いをした。リスクメイトの投稿より
といった具体的な場所の報告もあります。こうした現地発の情報は、旅行者にとっては非常に貴重なセーフティネットになります。
オーストラリア旅行を安全に楽しむためには、こうしたローカルな情報にも敏感になり、自分の身を守る行動を意識することが欠かせません。
オーストラリア旅行で絶対に守るべき「持ち込み禁止」ルールとは?

オーストラリアは、世界でも特に検疫と入国管理が厳しい国として知られています。
自然環境と固有種を守るため、旅行者が持ち込む荷物にも細かい規制が設けられており、それを知らずに違反してしまうと、高額な罰金や入国拒否などの厳しいペナルティを受けることになります。
知らなかったでは済まされないルールの数々を、ここでしっかり確認しておきましょう。
食品・種子・動植物製品は原則持ち込み不可|税関申告ミスで罰金事例も
オーストラリア入国時に最も注意すべきなのが、食品類や植物、動物由来製品の持ち込み制限です。たとえば、
- 果物
- 野菜
- ナッツ
- 肉製品
- 蜂蜜
- 卵
- 植物の種子や苗
- 乾燥花
なども基本的に申告が必要です。これらはオーストラリアの生態系に影響を与える恐れがあるため、たとえ小さな量でも、申告せずに持ち込むと違反とみなされてしまいます。
実際に、「友人へのお土産に乾燥梅干しを持ってきたが、申告していなかったために罰金を科された」という日本人旅行者の事例もあります。税関では申告用紙に「食品を持っているか」の項目があり、たとえ少量でも「Yes」にチェックを入れて正直に申告することが重要です。
違反が発覚した場合、200〜500オーストラリアドル(約2〜5万円)の即時罰金が科されることが多く、悪質な場合は強制送還の対象になることさえあります。
薬や健康食品の持ち込みも要注意|処方箋の有無で処罰が変わる

薬やサプリメントについても、オーストラリアではかなり厳しい規制が敷かれています。市販薬や健康食品であっても、成分によっては現地で違法とみなされるケースがあるため、注意が必要です。
とくに睡眠導入剤や精神安定剤、漢方薬など、一部の成分はオーストラリアでは麻薬類に該当する場合もあります。
医師から処方された薬を持ち込む場合には、必ず英語で書かれた処方箋や診断書を携帯しておくことが求められます。サプリメントについても、外箱や成分表示を英語で提示できるようにしておくと安心です。
無申告のまま薬を持ち込んだことで、薬物密輸の疑いをかけられ、長時間拘束されたという事例も存在します。
安全な旅行のためには、「自分が日常的に使っているから大丈夫」と思い込まず、事前にオーストラリア政府の検疫・税関情報サイトで確認し、必要に応じて書類を準備しておくことが大切です。
空港で没収された日本人旅行者の持ち物リストと失敗例
実際にオーストラリアの空港で没収された荷物の例を挙げると、
- 乾燥昆布
- だしパック
- 味噌
- 味付け海苔
- レトルトカレー
などがあります。これらは一見安全そうに見えても「肉エキスが含まれている」「動植物由来成分が入っている」などの理由で持ち込み禁止となる場合があります。
また、旅行者の中には申告が必要なことに気づかず、カバンの中に入れっぱなしにしてしまって罰金を取られた人もいます。さらに、スーツケース内に生の果物を持ち込んでいたことにより、空港で徹底的な荷物検査を受け、入国に数時間かかったという報告もあります。
こうした失敗は、「知らなかった」では済まされないものです。
空港では検疫犬が荷物をチェックしており、未申告の食品や植物を感知すれば即座に止められます。オーストラリア旅行では「何か持っていて心配なものがあれば必ず申告する」というのが鉄則です。
意外と知られていないオーストラリア独自のトラブル事情

オーストラリア旅行と聞くと、多くの人はコアラやカンガルー、美しいビーチといったポジティブなイメージを思い浮かべるかもしれません。
しかし、実際に訪れてみると、観光パンフレットには載っていない“想定外”のトラブルに直面することがあります。ここでは、現地ならではの自然環境や動物との関わりから生じるリスクについて詳しく解説します。
紫外線が世界一強い国での日焼け・熱中症被害に注意
オーストラリアの紫外線量は、世界でもトップクラス。特に夏場の日中は、ほんの15分屋外にいるだけで皮膚が赤く腫れ上がるほどの強烈な日差しを浴びることになります。これはオゾン層の破壊や地理的な要因が重なっているためで、現地の人々も幼少期から「日焼け=健康リスク」として認識しています。
そのため、オーストラリアでは外出時にサングラスや帽子、日焼け止めは必需品です。現地の学校では「No hat, no play(帽子がない子は外で遊べない)」というルールがあるほどで、皮膚がんのリスクが非常に高い国でもあります。旅行者の中には、短時間の観光だからと油断して炎症や熱中症で病院に運ばれるケースも後を絶ちません。特に内陸部では日陰も少なく、体感温度は40度を超える日もあるため、しっかりとした紫外線対策とこまめな水分補給が命を守るカギとなります。
海岸でクラゲ・サメに刺される・噛まれるリスク

美しいビーチといえばオーストラリアの代名詞ですが、その一方で自然界の危険生物も忘れてはなりません。中でも注意すべきなのが、クラゲとサメです。特に夏場になると、猛毒を持つ「ボックス・ジェリーフィッシュ」や「イルカンジクラゲ」が北部の海域に出現し、接触すると激痛や呼吸困難、最悪の場合は命の危険もあります。
日本人の男性がシェリービーチでサーフィン中、サメに襲われてお亡くなりにしました。どこのビーチでもオーストラリアはサメがいますし、よく出ます。気をつけて楽しんでください。リスクメイトの投稿より
これに対し、海水浴場ではクラゲネットが設置されていたり、ライフガードが警戒している場合が多いですが、地元民ですら刺されて救急搬送されることも珍しくありません。ライフガードが掲げている黄色と赤の旗の内側だけで泳ぐ、警告サインが出ているときは絶対に海に入らない、などのルールを必ず守るようにしましょう。
野生動物との接触による感染症リスク(コウモリ・カンガルーなど)
オーストラリアといえばコアラやカンガルーなどの可愛らしい動物たちが思い浮かびますが、野生動物との接触には思わぬ健康リスクが潜んでいます。特に注意すべきなのがコウモリで、噛まれたり引っかかれたりすると「オーストラリア狂犬病」とも呼ばれる致死性のウイルスに感染する可能性があります。
また、カンガルーやワラビーなども人間に慣れている個体が多いものの、ストレスを感じると蹴りやパンチを繰り出してくることがあります。旅行者が不用意に近づいたり、エサを与えようとした結果、怪我をしたという報告もあります。野生動物に出会ったら、基本的には距離を取り、絶対に触れない、追いかけないことが鉄則です。
自然豊かなオーストラリアを安全に楽しむには、人間側のリスペクトと予防知識が必要です。自然は魅力的である一方、ルールを守らなければ危険に変わるということを、しっかり意識しましょう。
【まとめ】オーストラリア旅行を安全に楽しむための基本マナーと注意点
オーストラリアは、治安が良く、自然と都市が見事に調和した魅力的な観光地ですが、安全に旅行を楽しむためには日本とは異なる文化や規制を正しく理解し、尊重することが欠かせません。
特定のエリアでは犯罪やトラブルのリスクが存在し、気候や動植物による思わぬ被害も報告されています。
旅行前には外務省の安全情報を確認し、持ち込み禁止物や税関ルールをしっかり理解しましょう。
また、現地の人々が守っているマナーや危険への備えを見習うことで、安心して旅を楽しめるはずです。知らなかった、では済まされない国だからこそ、「知ってから行く」姿勢が、旅の質と安全性を大きく左右するのです。