世界でも有数の近未来都市、ドバイ。高層ビルが立ち並び、ショッピング、ビーチ、砂漠アクティビティなど多彩な魅力で、多くの旅行者を魅了しています。
「ドバイ=安全」というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、実際には文化や法律の違いを理解せずに訪れるとトラブルに巻き込まれる可能性がある都市でもあります。
特に、観光客にとっては意外なルールや、軽く考えてしまいがちなNG行為、さらには油断しがちなエリアでの犯罪など、「知らないことがリスクになる」ポイントも少なくありません。
この記事では、
- 2025年最新版の治安情報
- ドバイ旅行で注意すべき危険エリア
- やってはいけないこと
- 女性やカップル旅行者が気をつけるマナー
まで完全ガイド形式でわかりやすく解説していきます。
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ドバイ旅行で気をつけるべき危険なエリアと場所

ドバイは世界でもトップレベルの治安を誇る都市のひとつです。しかし、だからといって「どこを歩いても100%安全」というわけではありません。観光客を狙った軽犯罪やトラブルは、実際に報告されています。
特に、旅行者が集中するエリアや、夜間に活発な一部の地域では、注意が必要です。
デイラ地区ではスリや詐欺が報告されている
ドバイの歴史地区とも言えるデイラ(Deira)は、ゴールドスークやスパイススークといった伝統市場が並び、ローカルな雰囲気を味わえるエリアです。しかし、観光客が多く訪れる分、観光客をターゲットにしたスリや詐欺の事例も多く報告されています。
特に、人混みの中や狭い通り、露店での買い物時には、財布やスマートフォンの管理に細心の注意が必要です。また、「偽ブランド品を格安で売る」「観光客向けの価格をごまかす」など、値段交渉に不慣れな旅行者を狙う商人も一部存在します。


昼間は比較的安全でにぎやかな雰囲気ですが、夜間になると路地裏などが薄暗くなり、居心地の悪さを感じることもあるため、特に女性の一人歩きは避けるようにしましょう。

夜のアル・クズ地区は犯罪リスクが若干高め
観光地としてはあまり知られていませんが、アル・クズ(Al Quoz)地区は工場や倉庫が多く、日中は地元労働者が多く行き交う場所です。このエリアは再開発が進んでおり、近年ではアートギャラリーやカフェも増えてきましたが、夜間は人通りが少なく、犯罪リスクがやや高まる傾向があります。
特に、アル・クズの裏通りや暗い駐車場では、酔った若者のトラブルや軽犯罪が稀に発生しており、旅行者がふらりと立ち寄るには少し注意が必要なエリアです。
現地の文化に精通していない限り、アル・クズの夜間訪問は控えるのがベターです。もし目的があって訪れる場合は、配車アプリなどでドアツードアの移動手段を確保しておくと安心です。
観光客の多いダウンタウンでも油断は禁物
バージ・カリファやドバイモールがあるダウンタウン地区は、昼夜を問わず人通りが多く、治安も比較的良好なエリアです。しかし、ここも観光客が密集する場所という意味で、油断してはいけないポイントがいくつか存在します。
代表的なのは、ドバイモールや周辺の歩道で起こる「写真撮影詐欺」「高額チップの要求」「偽タクシー」など。例えば、「一緒に記念写真を撮ろう」と近づき、撮影後にチップを強要されるケースや、公式のタクシー乗り場ではない場所で違法なドライバーが声をかけてくることもあるのです。
さらに、ショッピング中に荷物に気を取られている隙にスマホや財布を抜かれるなどのスリ被害もあります。高級ホテルが立ち並び、安全な印象を与える場所だからこそ、「油断している観光客」が狙われやすいのです。

ドバイでやってはいけないことを正しく理解する

ドバイは観光都市として非常に開かれた印象がありますが、実は法律や道徳規範は非常に厳格で、違反すると旅行者であっても重い罰を受けることがあります。
日本や欧米の常識とは大きく異なる部分もあるため、事前に「やってはいけないこと」をしっかり理解しておくことが、安全で快適な旅行の第一歩です。
公共の場でのキスやハグは禁止されている
ドバイでは、公共の場での身体的な接触――特に恋人同士や夫婦間であっても、キスや過度なスキンシップは禁止されています。
ハグや手をつなぐ程度であれば黙認されることもありますが、キスや抱き合う行為は公共の秩序を乱す行為と見なされ、現地の警察に通報されることもあるのです。
実際に、モールやビーチ、公園でのキスが原因で拘束された観光客の事例も存在します。「ちょっとした愛情表現」が大ごとになってしまうのがドバイの法律事情です。
特にラマダン中など宗教的に重要な時期には、普段以上に厳しい目が向けられやすくなるため、カップルや夫婦で旅行する際には人前では距離を保つことが鉄則です。
飲酒や酔っ払いの振る舞いには厳しい罰則がある

ドバイでは、決められた場所でのみアルコールを飲むことが許可されています。
ホテル内のバーや、ライセンスを持ったレストランでの飲酒は合法ですが、公共の場所(公園、ビーチ、路上など)での飲酒や酔った状態での徘徊は、法律で固く禁止されています。特に、
- ビーチで缶ビールを飲んでいた
- 飲んだ後に騒いでいた
- ホテルに戻る途中で道に座り込んだ
など、「酔った様子」を見せただけでも、警察に通報される可能性があるのです。
さらに、現地ではアルコールが原因でのトラブルは非常に重く見られており、最悪の場合、罰金、国外退去、一時拘束といった厳しい処分を受ける可能性もあります。
お酒を楽しむ場合は、ライセンス付きの施設内で、節度を持って。これがドバイの鉄則です。
侮辱的発言や中指ポーズは刑事事件になることも
日本では冗談や軽いノリで交わされるような「中指を立てる」ジェスチャーや、ちょっとした悪態」も、ドバイでは刑事事件として扱われることがあります。
これは旅行者同士の会話や、現地の人とのやり取り、あるいは交通トラブルの場面など、あらゆるシチュエーションで注意が必要です。
特にタクシーや配車サービス、店員との会話で、
- クレーム時に声を荒げる
- 不満の表現として「クソ!」「バカ!」といった言葉を使う
- ハンドサインで中指や侮辱のジェスチャーをする
といった行為は、「公衆に対する侮辱」あるいは「名誉毀損」として訴えられ、警察沙汰になるケースも実際に起きています。
外国人観光客が訴えられた場合でも、現地の法体系では裁判や罰金、拘束が即時に適用されることがあり、後から「冗談だった」と釈明しても通用しない場合がほとんどです。
つまり、ドバイでは「感情的にならない」「丁寧な言葉を使う」「ジェスチャーに気をつける」が基本の行動指針です。
女性旅行者が知っておくべき治安とマナーのポイント

ドバイは一見すると非常にモダンで、多くの外国人が働き、旅行者も多い国際都市ですが、その根底にはイスラム的価値観と保守的なモラルが根づいています。
この文化的背景を理解せずに軽率な行動をとってしまうと、「不快な視線」や「思わぬトラブル」に巻き込まれるリスクが高まるのです。
以下では、女性がドバイを訪れる際に特に意識すべきポイントを丁寧に解説していきます。
露出の多い服装はトラブルのもとになる
ドバイのショッピングモールやレストランでは、外国人女性の姿も多く、ファッションも比較的自由な雰囲気があります。ただし、それは「全てが許容されている」わけではないという点を忘れてはいけません。
肩や太ももが露出するような服装は、公の場では避けるのが無難です。ミニスカート、タンクトップ、ショートパンツなどは、「軽率な女性」と見なされる可能性があり、思わぬトラブルに発展するケースも報告されています。
特に注意したい場所は以下の通りです。
- ショッピングモール:入り口に「服装ガイドライン」の掲示があることも
- 公共交通機関:車内では周囲の目が集中しやすい
- モスクや宗教施設:髪を隠すスカーフ着用も必要になる
ホテルやリゾート内ではやや緩やかですが、一歩外に出ると文化的な規範が強く働く環境であることを意識しましょう。「自分を守るために保守的な装いをする」ことは、現地への敬意であると同時に、安全に旅を楽しむための戦略でもあります。
男性からの視線や声かけに注意が必要な場面もある
ドバイは治安が良いことで知られていますが、それでも観光客として目立つ服装や単独行動をしていると、男性からの視線や声かけに遭うことがあります。
これは犯罪というよりも、文化的なギャップや「好奇心」からくるものが多いのですが、不快に感じる場面がゼロとは言えません。
特に注意すべきなのは、以下のような場面です。
- 夜遅い時間に一人で出歩く
- 地元のローカルマーケットや狭い路地を通る
- 海外からの労働者が多く集まる地域での滞在や買い物
もし声をかけられたり、不快な視線を感じたら、無視して距離をとるのがベストです。 笑顔で返したり立ち止まったりすると、「興味がある」と誤解される場合もあるため、毅然とした態度で対応することが大切です。
また、タクシーや配車アプリを利用する際にも、男性運転手との過度な会話は避け、必要最低限のやり取りにとどめるのが安心です。
カップルで訪れる場合に注意しておくべきこと

ドバイでは、婚姻関係や家族のあり方が宗教的・文化的に非常に重視されています。そのため、カップル旅行の場合でも、西洋的な「自由な愛情表現」は基本的に歓迎されないと考えておいた方が安全です。
ここでは、未婚カップルの宿泊事情や、公共の場でのふるまいについて詳しく見ていきましょう。
未婚カップルの同室宿泊は原則NG(近年は緩和傾向)
数年前まで、ドバイでは未婚のカップルが同じ部屋に宿泊すること自体が法律違反とされていました。
ただし、2020年以降の法改正により、外国人観光客に対してはこのルールが実質的に緩和され、現在では多くのホテルが未婚カップルでも同室での宿泊を許可しています。
とはいえ、それはあくまでも「黙認」の範囲内。特に以下のような場合には注意が必要です。
- ホテルがローカル系で宗教色が強い場合
- チェックイン時にパスポートの確認が厳格に行われる場合
- 地元警察が関与するようなトラブルに発展した場合
できれば国際的なチェーンホテルや、外国人向けの大手宿泊施設を選ぶのが安全です。どうしても不安が残る場合は、事前にホテルに問い合わせをしておくと良いでしょう。
また、現地で「私たちは夫婦です」と説明することで問題を回避できることもありますが、万一の事態に備えてリスクは理解しておくべきです。
イチャつき行為で拘束される事例もある
ドバイでは、先述したように公共の場でのキスや抱擁、手を繋ぐといった行為は基本的にマナー違反、または違法とされています。観光地で浮かれていたカップルが、
- ビーチでキスをしていた
- モールで抱きついた
- タクシー内で過度に密着していた
などの理由で通報され、警察に拘束された例も過去に実際に発生しています。
問題となるのは、現地の価値観にそぐわない行動が「公序良俗に反する」と判断される場合、外国人であっても容赦なく処罰の対象となるという点です。
ですので、カップルであっても公共の場では、
- 距離感を意識する
- 親密な会話はあくまで控えめに
- 写真撮影でも密着ポーズは避ける
といったマナーを守ることが、トラブルを未然に防ぐ最善の方法です。
ドバイの治安の実態と他国との違いとは

ドバイは中東地域に位置しながらも、政情が安定しており、テロや凶悪犯罪の発生率は非常に低く、国際的にも治安の良さが高く評価されている都市です。実際、多くのビジネスパーソンや家族連れ、ソロ旅行者が安心して訪れています。
では、なぜここまで安全が保たれているのでしょうか? そして、「安全だからこそ気をつけるべきこと」とは?
他国とは異なる点を踏まえながら、その背景と落とし穴を解説します。

警察の対応は迅速だがルールには非常に厳格
ドバイでは、警察や治安当局の監視体制が非常に強力かつ迅速です。主要エリアや交通機関、ショッピングモール、観光地には大量の監視カメラが設置されており、何かトラブルが起きたときにはすぐに警察が駆けつける仕組みが整っています。
このため、スリや暴力事件などの軽犯罪は極めて少ないのが現実です。
しかし、その裏には「法律違反やマナー違反に対しては一切の猶予がない」という、厳しい法執行体制が存在します。
たとえば、以下のような行為が問題視されることがあります。
- 路上でのゴミのポイ捨てや唾を吐く行為
- タクシー運転手との口論で声を荒げる
- 店員への不適切な発言や身振り
- カメラで撮影してはいけない場所をうっかり撮ってしまう
こうした行為は、「公序良俗違反」「侮辱行為」「名誉毀損」として取り締まり対象になることがあり、観光客だから許されるという考えは通用しません。
つまり、ドバイでは「問題が起きにくい都市」であると同時に、「問題を起こしてしまったときのリスクが高い都市」でもあるのです。
安全だからこそ観光客の油断が狙われやすい
治安が良いというイメージが広がっている都市では、旅行者もつい警戒心が緩みがちになります。ドバイもその例外ではなく、「安全だと思っていたからスマホを無防備に出していた」「荷物を足元に置きっぱなしにしていた」といった油断から、軽犯罪やスリに遭う事例も実際に発生しています。
特に注意すべきシーンは以下の通りです。
- 空港や大型モールのフードコート:一瞬の隙で荷物が取られるケースも
- 観光地周辺でのセルフィー中:置いたバッグを背後から持ち去られる
- ビーチやプールエリア:スマホや貴重品を無人にして遊んでしまう
さらに、「違法ガイド」や「偽のチャリティ活動」など、観光客の善意や無知に付け込む詐欺行為も、一部では確認されています。たとえば、「チップは不要です」と言われた後で執拗に要求されたり、知らぬ間に高額なサービス料を請求されたりといったケースです。
治安が良いからといって、「どこでも安心」「誰にでも気を許していい」というわけではないという心構えを持つことが、最終的に自分自身を守る最大の手段となります。
安全にドバイを楽しむための旅行前準備と現地対応
ドバイはルールと秩序が守られた素晴らしい都市であると同時に、「知らない」ことがトラブルの火種になることも多い場所です。
ここで紹介する基本を押さえておけば、現地での不安を減らし、心から旅を楽しめるはずです。
大使館や現地の緊急連絡先は必ず控えておく
まず大切なのは、何かあったときにすぐに頼れる公的機関の情報を準備しておくこと。
スマホやノートに控えるのはもちろん、紙でも印刷して持っておくと万が一の通信障害にも対応できます。
住所:Villa 34, Street 43b, Community 366, Al Wasl Road, Jumeirah 1, Dubai
電話番号:+971-4-404-8555
緊急時専用番号(夜間・週末):+971-50-459-8494
緊急時に頼るべき番号や窓口を事前に確認しておくことで、トラブル時の冷静な対応が可能になります。
また、出発前には必ず外務省の「たびレジ」登録を行い、現地での安全情報をリアルタイムで受け取れるようにしておきましょう。
タクシーや移動は政府公認アプリを利用するのが安全
ドバイでは移動手段も多彩で便利ですが、安全かつトラブルなく利用するには「正規ルート」を選ぶことが鉄則です。
特にタクシーは、白タクや不正業者に乗ってしまうと、不当に高額な料金を請求されたり、目的地と違う場所へ連れて行かれるリスクもあるため注意が必要です。
おすすめは以下の2つのアプリです。
ドバイ発祥の配車アプリ。政府公認で利用者も多く、支払いもアプリ内で完結。女性ドライバーを選べる機能もあります。
日本でも馴染みのあるアプリ。ドバイではCareemと統合されており、使い慣れている人には特に便利です。
これらのアプリを使えば、料金の透明性が高く、ドライバーの身元も保証されているため、女性の一人移動や夜間の利用でも安心です。
また、公共交通機関(メトロ・バス)を使う場合は、Nolカード(チャージ式ICカード)を事前に用意しておくと便利。駅や自動販売機で簡単に購入できます。
まとめ:危険エリアを回避してドバイ旅行を楽しもう!
ドバイは、ルールを守ることを前提にすれば、世界で最も快適で安全な旅が楽しめる都市のひとつです。
ただし、その快適さを維持するためには、旅行者自身が現地の価値観や法律、マナーに対する理解とリスペクトを持つことが絶対条件。
この記事で紹介した内容を参考に、
- 危険エリアを避ける
- NG行為をしっかり把握する
- 安全な交通・宿泊・行動を意識する
この3点を押さえて行動すれば、あなたのドバイ旅行は文化体験もラグジュアリーも満喫できる、忘れられない旅になることでしょう。
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