青く輝くエーゲ海、美しい白壁の街並み、そして歴史の重みを感じるパルテノン神殿
ギリシャは、世界中の旅行者を魅了してやまない観光大国です。
しかしその一方で、「ギリシャ旅行は危ない?」「スリやトラブルに遭いやすい?」といった不安の声が少なからず聞かれるのも事実です。
- 最新の治安情報
- 文化の注意点
- 持ち込み禁止物
- 旅先で起こりやすいトラブルの回避策
サントリーニ島のような人気スポットの治安状況や、現地で起こりやすい誤解・文化ギャップも解説します。
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ギリシャ旅行で注意すべき危険エリア・スポット

ギリシャは、世界的に人気の高い旅行先です。青く澄んだエーゲ海、アクロポリスの遺跡、島々の白い街並み…。その美しさに魅了される人は後を絶ちません。しかし、いくら魅力的な国でも、全ての場所が安全というわけではないのが現実です。
特にアテネをはじめとする都市部には、観光客が巻き込まれやすいトラブルや、注意すべきエリアがいくつか存在します。このセクションでは、2025年現在でも旅行者に警戒が必要とされている代表的な3つのスポットを詳しく解説します。
アテネのオモニア広場周辺はスリや麻薬売買が多発
ギリシャの首都アテネの中心部に位置するオモニア広場(Omonia Square)は、地下鉄やバスの接続点として非常に多くの人が行き交うエリアです。その便利さから、観光客が宿泊することも多いのですが、残念ながらこの場所は治安が安定しているとは言い難い地域のひとつです。
真昼間にオモニア広場から徒歩10分圏内のホテルに向かって歩いていたたところ、路上にたむろしていた男性に話しかけられました。電話している男性も、前を通りがかったら通話したまま話かけてきました。反応してはいけないと思い無視したものの、2mくらいの距離を維持して話しかけながら着いてこられました。1人諦めてくれたと思ったら、また別の人が話しかけながら着いてくる…の繰り返しです。リスクメイトの投稿より(一部)
特に問題となっているのは、
- スリや置き引き
- 薬物の売買や使用現場の目撃
- ホームレスや路上生活者による治安の不安定化
などで、旅行者がバッグを開けた隙に盗まれたり、ATMで現金を引き出しているところを狙われるといった典型的な都市型犯罪が多発しています。
昼間は比較的安全ですが、夜になると街灯も少なく、人通りが減る場所ではトラブルに巻き込まれるリスクが高まるため、オモニア広場周辺では以下のような行動を心がけましょう。
- 夜間の単独行動は避ける
- 鞄やリュックは前に抱えて持つ
- 見知らぬ人に話しかけられても簡単に立ち止まらない
「なんとなく空気が重い」と感じたら、その直感を信じて離れることが安全への第一歩です。

エクサルヒア地区は政治運動や暴動が起きやすい地域
アテネの北西側に位置するエクサルヒア(Exarchia)地区は、個性的なカフェやストリートアートが目を引く文化的なエリアであり、若者を中心に人気もある一方で、ギリシャの「政治運動の拠点」として知られている地域です。ここでは過去に、
- 警察と市民との衝突による暴動
- 大学周辺でのデモ活動
- 一部無政府主義者による建物の不法占拠
など、社会運動と暴力的な抗議活動が交錯する場所として、外務省や各国の大使館も定期的に注意喚起を行ってきました。
表向きにはカラフルなエリアですが、政治的な緊張が高まるタイミングでは、突発的な集団行動や火炎瓶が飛び交うような激しい騒動に発展することもあります。観光客は、何かに巻き込まれることを避けるためにも、
- 集団が集まり始めたら即座に離れる
- 大学周辺や広場での写真撮影を控える
- 政治的な話題には決して関与しない
という心構えを持つことが大切です。
興味本位で近づいた結果、取り返しのつかない状況に…という事例も報告されています。
ピレウス港周辺は詐欺や違法タクシーに要注意
アテネ市内から電車で30分ほどの場所にあるピレウス港(Piraeus Port)は、サントリーニ島やミコノス島など、エーゲ海の島々へ向かう船が出航するギリシャ最大のフェリー港です。
旅行者の出入りが非常に多い場所であるため、詐欺や違法ビジネスの温床になりやすい環境とも言えます。中でも特に注意したいのが、
- 違法タクシーによる過剰請求
- 荷物を運ぶふりをして金品を要求する「偽ポーター」
- 混雑時に発生しやすいスリやバッグのひったくり
など、典型的な「旅行者狙い」のトラブルです。港の出入口やタクシー乗り場、チケット売り場周辺では、特に警戒心を高めましょう。
タクシーを利用する際には、
- 正規のメーター付き車両を使うこと
- 乗車前に「いくらぐらいかかるか」を確認する
- できれば配車アプリ(BEATなど)を使う
といった基本を守ることで、被害を避けることができます。また、フェリーに乗る際の大きな荷物を知らない人に持たせない、チップを強要されても毅然と断ることも重要です。
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ギリシャ旅行で注意すべき持ち込み禁止・違反リスク

海外旅行では、何気なく持ち込んだ物が現地の法律に触れてしまい、空港でのトラブルにつながることがあります。
ギリシャも例外ではなく、医薬品や自然物、大容量バッテリーなど、意外なものが持ち込み制限や禁止の対象になっていることがあります。
この章では、ギリシャ旅行前に知っておきたい具体的な持ち込み禁止物や、そのリスクについての正しい理解をお届けします。
医薬品や健康食品でも一部成分が持ち込み禁止対象に
旅行時に常備している風邪薬や睡眠薬、またはサプリメントなどの健康食品。日本では市販されている安全な商品でも、ギリシャではその成分が法律で規制対象になっている場合があります。
たとえば、強い鎮静作用のある成分や向精神薬成分を含む薬は、処方箋なしでの持ち込みが禁止されていることがあるため要注意です。実際に過去には、知らずに持ち込んだ医薬品が税関で没収されたり、罰金を科されたケースも報告されています。
また、植物由来の成分を含むサプリメントやダイエット食品も、現地で「未承認医薬品」として扱われることがあるため、必要であれば事前にギリシャ大使館や厚労省のページで確認しておくことが安心です。
何より大切なのは、成分表示をよく確認し、「海外ではNGになる可能性もある」という視点を持つことです。

古代遺跡周辺の“石・砂”の持ち帰りは法律で厳禁
ギリシャ旅行で訪れる機会が多いパルテノン神殿やデルフィ遺跡などの古代遺跡。中には「旅の記念に…」と、こっそり小石や砂を持ち帰ろうとする旅行者もいますが、これは完全な違法行為です。
ギリシャでは、歴史的・文化的価値のあるエリアからの自然物の持ち出しが法律で厳しく禁じられており、違反した場合には罰金や入国禁止処分になるケースもあります。過去には外国人観光客が、遺跡の敷地内で拾った石を空港で没収され、警察に事情聴取された事例もあるほどです。
たとえ何気ない行動でも、ギリシャでは文化財と見なされる範囲が広く、無知が通用しないケースが多いのです。記念品は必ず公式のショップや土産物店で購入し、現地の文化と法律を尊重した行動を心がけましょう。
ドローンや大容量バッテリーも条件付きで制限されることがある

写真や映像を楽しむ旅行者に人気のドローンですが、ギリシャではその使用に厳しいルールが設けられています。特に空港周辺や遺跡上空での飛行は完全に禁止されており、登録や許可を取らずにドローンを持ち込むと、税関で没収、あるいは罰則対象となる可能性があります。
また、ドローン用の大容量バッテリーや予備バッテリーも、航空会社によって持ち込み制限が異なるため注意が必要です。リチウム電池は危険物扱いとなる場合があり、一定容量を超えると事前申請が必要になることもあります。
撮影を目的とする場合は、渡航前にギリシャ民間航空庁(HCAA)や観光省の公式ページで最新情報を確認することが重要です。必要であれば許可申請や現地での登録が求められることもあります。
何より、「知らなかった」では済まされないのが海外の規制です。楽しい旅を記録に残すためにも、ルールを守った安全な使い方を心がけましょう。
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観光客が遭遇しやすいギリシャ旅行のトラブルと回避策

ギリシャは全体的に穏やかで親しみやすい国ですが、観光客をターゲットにした軽犯罪や旅行中の体調トラブル、言語面でのすれ違いなどが比較的起こりやすいのも事実です。
この章では、よくあるトラブルの具体例と、それらを避けるための実践的なアドバイスを紹介します。
スリ・置き引き・偽ガイドなどの軽犯罪が多発
ギリシャ、とくにアテネやテッサロニキなどの都市部では、スリや置き引きといった軽犯罪が日常的に発生しています。特にメトロの車内、駅構内、バスの中、そして観光地周辺では、観光客が財布やスマホを狙われるケースが多発しています。
中には、ガイドやツアー案内人を装って近づき、高額な料金を後から請求する偽ガイドの被害も報告されています。「無料で案内するよ」と声をかけられた場合は要注意です。正規のガイドは必ず認定証を提示する義務があるため、それがない場合はきっぱりと断りましょう。
スリ対策としては、リュックを前にかける、ファスナー付きのバッグを使う、貴重品を一箇所にまとめないなどの基本的な注意が有効です。人混みでは、立ち止まった瞬間が一番危険です。周囲の様子に常に気を配るようにしましょう。

ギリシャ語オンリーのメニューや案内板でトラブルになるケースも
ギリシャでは主要な観光施設やホテルでは英語が通じることが多いものの、ローカルな飲食店や市場、交通機関ではギリシャ語しか表示されていないことも少なくありません。とくに郊外のレストランやバス停などでは、英語の案内がないために注文ミスや目的地の間違いなどが発生するケースもあります。

また、ギリシャ語の文字はアルファベットとは異なるため、地図や看板を見ても読み取りづらく、混乱しやすいという問題もあります。あらかじめギリシャ語の数字や「入り口(Είσοδος)」「出口(Έξοδος)」など基本的な表記を覚えておくと便利です。
さらに、英語を話す現地の人でも、早口だったり強いアクセントがあることがあり、聞き取れないこともあるため、「ゆっくり話してもらえますか?」と丁寧に伝える姿勢も大切です。
スマホに翻訳アプリをダウンロードしておく、ホテルで紙に目的地名を書いてもらうなど、事前準備がトラブル回避の鍵になります。
猛暑による体調不良や水分不足も軽視できないリスク

夏のギリシャは、想像以上に気温が上がります。特に6月から9月にかけては40度近くに達する日も珍しくなく、強い日差しと乾燥した空気の中で長時間観光をしていると、熱中症や脱水症状になるリスクが高まります。
観光に夢中になっていると水分補給を忘れがちですが、これが一番危険です。現地ではミネラルウォーターを安価で購入できますが、観光地周辺の売店では値段が高騰していることもあるため、あらかじめホテルやスーパーで購入しておくと安心です。
また、帽子やサングラス、日焼け止めは必須アイテムです。こまめに日陰で休憩を取りながら行動することで、体調不良を未然に防げます。
特に高齢者や子ども連れの方は、無理のないスケジュールを組むことが何より大切です。暑さに強くても油断は禁物。「ちょっと疲れたかも」と思ったら、すぐに休む勇気を持つことが、安全な旅を続けるポイントです。
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ギリシャ サントリーニ島の治安は?安全に楽しむためのポイント

真っ白な建物と青いドーム屋根が印象的なサントリーニ島は、ギリシャを代表する絶景スポットのひとつです。
ハネムーンや女子旅にも人気が高く、世界中から観光客が集まるこの島ですが、観光シーズン中は特有のトラブルが起きやすくなる面もあります。この章では、サントリーニ島での安全な滞在に役立つポイントをご紹介します。
島全体は穏やかだが、観光シーズン中の軽犯罪には注意
サントリーニ島は、ギリシャ本土と比べると非常に穏やかな雰囲気があり、治安の良さに定評のある観光地です。地元の人々もフレンドリーで、基本的には安心して滞在できるエリアといえるでしょう。
しかし、観光客が一気に増える夏のハイシーズンには、スリや置き引きといった軽犯罪が目立つようになります。特に、イアやフィラといった観光客で混雑するエリアでは、気づかぬうちにバッグのチャックを開けられたり、レストランで座席に置いたカバンが盗まれるといったケースが報告されています。
また、写真撮影に夢中になっている時や、絶景に見とれて注意力が散漫になる瞬間も狙われやすいタイミングです。観光客に紛れて動くスリは、見た目には全くわからないことも多いため、「人が多い=安全」と思い込まず、自分の持ち物は常に視界に入れておく意識が大切です。
夜間は街灯が少ない道もあり、女性の一人歩きは避けるのが無難

サントリーニ島の魅力の一つは、夕焼け後の幻想的な雰囲気ですが、日が落ちた後の移動には注意が必要です。観光地の中心部以外では、街灯が少なく、足元が見えにくい細い道や坂道が多いのが特徴です。
女性の一人歩きは、治安が良いとされるエリアでも、念のため避けた方が無難です。とくにホテルとレストランの行き来や、ビーチからの帰り道などでは、明るいうちに帰る、複数人で行動する、タクシーを利用するといった選択が安全です。
また、サンダルやヒールでは歩きづらい道が多く、暗い中で転倒して怪我をするリスクもあるため、履き慣れたフラットな靴を選ぶことが快適かつ安全な観光につながります。

観光客向け価格の“ボッタクリ”被害が報告されている
サントリーニ島では、観光地価格が基本となっており、本土に比べてレストランやお土産店の価格が高めに設定されている傾向があります。しかし中には、明らかに不当な値段を提示してくる“ぼったくり”店も存在しており、油断していると予想以上の出費になることも。
たとえば、
- メニューに値段が書かれていない料理を頼んだら高額請求された
- 水やパンが自動的に提供されたあとで追加料金が発生していた
など、金額の不明確さを利用した手口が報告されています。
こうしたトラブルを防ぐには、注文前に料金を確認する、メニューに価格が明示されていない場合は注文を控える、会計時には必ずレシートを確認するなど、基本的な対策が非常に有効です。
また、観光客慣れしているお店ほど言葉巧みに誘導してくることもあるため、「曖昧なまま了承しない」ことがトラブル回避の第一歩です。
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ギリシャ文化と観光スタイルから生まれる独特の注意点
ギリシャの旅では、美しい景色や歴史的建造物だけでなく、現地の人々とのふれあいや文化体験も大きな魅力です。
ただし、文化的背景の違いを理解せずに行動してしまうと、意図せず失礼になったり、不便を感じたりすることがあります。この章では、ギリシャならではの観光スタイルにおける注意点と、快適な旅にするためのちょっとしたコツをご紹介します。
緩やかな接客文化に“サービスが悪い”と感じる人も多い
ギリシャの飲食店やホテルでは、接客のテンポや対応が非常にのんびりしていることが多く、特に日本のような丁寧で迅速なサービスに慣れていると、「サービスが悪い」「無愛想」と感じてしまうこともあります。
しかしこれは怠慢ではなく、ギリシャの人々が持つ“急がない”文化の表れであり、「ゆったりと食事や会話を楽しむのが大人の過ごし方」とされているためです。たとえば、レストランでは食事が終わっても店員から積極的に会計を促されることはなく、こちらから声をかけない限りそのまま長居しても問題ありません。
この文化を知っていれば、対応が遅くてもイライラせず、「ギリシャらしさ」として受け入れやすくなります。せっかちな対応を求めず、自分自身もそのリズムに合わせることで、旅のストレスはぐっと減るはずです。
遺跡の写真撮影はルールに厳しく、撮影禁止エリアもある
ギリシャには世界遺産や歴史的建造物が数多く存在し、その壮大な景色を写真に収めたくなるのは自然なことです。しかし、遺跡や博物館での写真撮影には厳しいルールが設けられている場所が多く、知らずに違反してしまうとスタッフから注意を受けたり、場合によっては機材を一時没収されることもあります。
特に注意が必要なのは、フラッシュの使用禁止エリアや、撮影そのものが禁止されている展示室・神殿内です。また、商業目的と見なされるようなドローン撮影や撮影機材の持ち込みにも制限があるため、旅行前に訪れる施設の公式サイトでルールを確認しておくことが重要です。
「誰も撮ってないな」と感じたら、それは“撮影禁止”のサインかもしれません。ルールを守って撮影することで、他の旅行者や現地の人にも配慮した行動になります。
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店舗や施設の“昼休憩”が長く、想定通りに回れないこともある
ギリシャでは、特に地方の商店や施設において、午後に長めの休憩(シエスタ)を取る習慣が残っていることがあります。これは気候や文化に根ざした生活スタイルの一部で、14時〜17時の間は店が閉まっていたり、スタッフが不在というケースも多く見られます。
観光客としては、「せっかく来たのに閉まってる」「営業時間と違う」と感じてしまいがちですが、これはギリシャでは“普通”のこと。都市部ではその傾向は弱まりつつあるものの、特に個人経営の店舗や博物館、役所関係は午後休憩が当たり前と考えておくと良いでしょう。
対策としては、朝のうちに予定を詰めて回る、昼間はゆっくり休憩タイムにするなど、旅のスケジュールに“余白”を持たせておくことがコツです。ギリシャの時間感覚に身をゆだねることで、旅そのものがより豊かに感じられるはずです。
まとめ|ギリシャ旅行で危険を避け、最高の体験を得るために
ギリシャは歴史・文化・自然のすべてを楽しめる素晴らしい旅行先ですが、観光客だからこそ注意すべき点も多く存在します。スリや軽犯罪、持ち込み禁止物、文化的な違いなど、知らないままだとトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
とはいえ、その多くは事前に知っていれば防げるものばかりです。現地のルールや習慣に敬意を払い、治安情報や注意点を押さえておけば、ギリシャ旅行は間違いなく感動と学びに満ちた最高の思い出になります。
安心と自由を両立させて、ギリシャの旅を存分に楽しんでください。
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