多くの日本人にとって「楽園」と言える場所、ハワイ。青い海、美しい自然、ゆったりと流れる時間
そうした魅力に惹かれて、リピーターとして毎年訪れる人も少なくありません。
しかし近年、「ハワイの治安が悪化している」という声がSNSやニュースのコメント欄などで目立つようになってきました。
特に、観光の中心地であるオアフ島・ホノルルを中心に、「夜間の外出に不安を感じた」「スリや車上荒らしに遭った」といった具体的な被害の声も聞こえています。これまで「安全な海外旅行先」の代名詞だったハワイが、なぜこうした印象を持たれるようになったのでしょうか?
この記事では、治安悪化の背景や未報道の事件例、観光客が避けるべき地域と対策について、多角的に解説します。
なぜ「ハワイの治安が悪化している」と言われているのか?
治安悪化という言葉は決してセンセーショナルなだけではなく、具体的な社会状況や犯罪の発生背景に根ざした問題です。
ハワイで今何が起きているのか、そして観光客がどのような影響を受けているのかを見ていきましょう。
ホームレス増加と経済不安がもたらす都市型犯罪の増加

まず注目すべきは、ホームレスの急増です。
ハワイは生活費が非常に高く、特にコロナ禍以降、仕事や住まいを失った人々が増えました。
これにより、公園やビーチ周辺で寝泊まりするホームレスが目立つようになり、一部では観光客に対する声かけや軽いトラブルも発生しています。
社会的な支援が追いついていないことから、経済的に困窮した層が軽犯罪に手を染めるケースも見られます。
観光客が頻繁に訪れるワイキキなどのエリアでも、バッグの置き引きや無断での荷物物色といった行為が報告されるようになりました。
軽犯罪・車上荒らし・窃盗が観光地でも多発している
観光地=安全という意識は、ハワイでは必ずしも通用しなくなってきています。
特に増えているのが、駐車場での車上荒らしです。レンタカー利用者がビーチや展望台などの人気スポットに立ち寄った隙を狙い、車内の貴重品を盗む手口が多発しています。
また、ホテルロビーやショッピングモールでも、観光客の隙をついたスリや窃盗事件が起きています。
こうした犯罪は、短時間で人目につかずに行われることが多く、警察への通報も難しいケースがあるため、実態が掴みにくいのが現状です。

観光客が巻き込まれた事件が報道されにくい現状
ハワイは観光産業に大きく依存している地域であるため、観光に悪影響を及ぼしかねない事件は、報道で大きく取り上げられにくい傾向があります。
実際に、SNSでは「事件に巻き込まれたが現地ニュースには出ていなかった」という投稿も複数確認されています。
また、ハワイ州外からのメディアも、軽微な事件には注目しにくいため、日本のニュースで報じられるケースも少ないのが実情です。
結果的に、旅行者自身が現地で肌で感じる治安の変化と、報道で得られる情報との間にギャップが生じ、旅行後に「思ったよりやばかった」と感じる人が増えているのです。
報道されにくいが発生しているハワイでの事件

表向きは楽園のイメージが強いハワイですが、実際には観光客が巻き込まれるトラブルや事件が確かに存在します。
ただし、その多くが現地メディアで大きく報道されることはなく、日本国内ではほとんど知られていないのが現状です。ここでは、特に注目すべき具体的な事例をいくつか紹介します。
ハワイ・シェラトンホテルで起きたトラブルと口コミに残る影響
ワイキキの中心に位置し、人気ホテルとして知られるシェラトンワイキキ。
しかし近年、宿泊中の盗難トラブルやホテルスタッフとの対応トラブルに関する口コミが散見されるようになっています。
- 部屋に置いていた貴重品がなくなった
- スタッフに報告しても「自己責任」と取り合ってもらえなかった
などの声が投稿されており、多くの旅行者が不安を感じる要因となっています。
ホテル名が有名であるがゆえに、こうした問題が表沙汰になることは稀ですが、旅行者の生の声としてネット上には確かに残っています。
滞在中の油断がトラブルに繋がりやすいという事実を、改めて意識する必要があるでしょう。
ワイキキ周辺で観光客が被害に遭った未報道事件の事例
日本人観光客が多く訪れるワイキキでも、夜間に突然知らない人物に声をかけられ、スマートフォンを奪われるといった窃盗事件が報告されています。

中には暴力を伴うケースもあり、被害者が軽傷を負ったものの、現地警察が大事にせず終わってしまった事例も確認されています。
こうした事件は、現地報道で取り上げられないまま埋もれてしまうことが多く、次の旅行者にリスクが共有されないという問題にも繋がっています。
現地コミュニティで共有される“危険な人物情報”の存在

ハワイのローカル掲示板やリスクメイトでは、“危険人物”とされる地元の人物や、繰り返し観光客に声をかけて問題を起こしている人物の情報が共有されることがあります。
薬物で変になってる男にライターで持っていたカバンに火をつけられそうになった。 ダウンタウン地区はワイキキ中心部よりローカル感があって少し治安が悪いように感じた。リスクメイトの投稿より
例えば、ある男性がバーやストリートで観光客に近づき、言葉巧みに金銭を要求したり、最終的には暴言や威嚇に発展するといった事例です。
こうした情報は、一般の旅行者には届きにくいローカル情報であるため、注意喚起として非常に重要です。現地の人が警戒している人物や場所を事前に知る手段があれば、旅行者の安全度は大きく向上するでしょう。
ハワイで治安が悪いとされる地域一覧と特徴
ハワイ、特にオアフ島では、全体的に観光地として整備されている印象を持つ方が多いかもしれません。
しかし実際には、地元の人々の間でも「できるだけ近づかない方がいい」とされるエリアが存在します。
ここでは、観光客にとって特に注意が必要な地域と、その特徴を解説します。
チャイナタウン・カリヒなど観光客が避けるべき地域
ホノルル市内にあるチャイナタウンは、昼間は市場や飲食店が立ち並び、アジア的な雰囲気が楽しめるエリアですが、夜になると様相が一変します。ホームレスが多く集まる地域であり、薬物やアルコールによるトラブルが頻発していることから、地元民からも「夜は絶対に行かない方がいい」と言われています。
また、カリヒ地区も同様に治安面での問題を抱えており、ギャングや犯罪組織の拠点が存在するとされるエリアでもあります。
観光目的で訪れる場所ではなく、レンタカーの経路に含まれていたとしても、通行には注意が必要です。
カパフル通りやダウンタウン東側の深夜のリスク
昼間は観光客でにぎわうこともあるカパフル通りや、ホノルルのダウンタウンエリアも、深夜になると空気が一変します。飲食店やバーが多いエリアでは、酔客による暴力沙汰や、観光客へのしつこい絡みといったトラブルが発生しやすくなります。
特にダウンタウン東側は、観光客が少なく人通りも減るため、狙われやすい時間帯とされており、徒歩での移動や無防備な行動は避けた方が無難です。
地元民も警戒する「昼間でも警戒が必要なエリア」
一部のエリアでは、日中であっても油断は禁物です。パールシティやエバビーチなど、観光地から少し外れた住宅エリアでは、空き巣や車上荒らしの被害が相次いでおり、地元の人たちですら外出時には細心の注意を払っています。
観光客にとっては通りがかる程度の場所でも、“日中だから大丈夫”という意識が命取りになる可能性もあるのです。知らない地域に立ち寄る際は、現地の人がどのような行動を取っているかをよく観察し、違和感を感じたら即座に離れる判断も必要です。
ハワイ旅行中に実践すべき具体的な安全対策
ハワイの魅力を存分に楽しむためには、現地の治安状況を正しく理解し、適切な安全対策を講じることが不可欠です。
ここでは、観光客が被害に遭いやすいシーンを想定しながら、旅行中に取り入れたい具体的な行動指針を紹介します。
夜間の外出は避けるべき場所と時間帯の目安
ハワイでは、夜になると雰囲気ががらりと変わるエリアが少なくありません。
特に午後10時以降は、観光地であっても人通りが減り、酔客や不審な人物に遭遇するリスクが高まります。
ワイキキのような比較的人通りの多い場所でも、裏通りや暗がりでは気を緩めない意識が重要です。
また、徒歩での移動よりもタクシーや配車アプリ(Uber、Lyftなど)の活用が望ましく、ルートを事前に確認することも大切です。「人のいない場所には近づかない」ことを徹底するだけで、安全性は格段に高まります。
ホテル選びで注意すべきポイント(立地・口コミ・セキュリティ)
宿泊先の選定は、旅の快適さだけでなく安全にも直結します。口コミでの評価や過去のトラブル情報をよく読み込むことで、セキュリティ面で不安のあるホテルを避ける判断材料になります。特に注意したいのは、「立地」と「セキュリティ対応の明示」です。
人気観光エリアに位置していても、夜間の出入り口管理が甘いホテルや、過去に盗難被害があったとされる施設は避けた方が無難です。チェックイン時にはセーフティボックスの有無や、夜間の警備体制についても確認しておくと安心です。

不審者・違和感のある人物に遭遇したときの対応方法
もし旅先で、何か違和感を覚える人物と出会った場合は、その場から物理的に距離を取り、周囲の人を巻き込むことが第一です。直接対峙するのではなく、ホテルのロビーやコンビニなど、人目がありカメラがある場所へ避難することでトラブルの芽を早めに摘むことができます。
また、「助けが必要?」と声をかけてくる人が全員善意とは限らないのが現実です。特に夜間や人気のない場所で接触してくる場合は、相手の言動を信用せず、即座に立ち去る勇気を持つことが、安全な旅行を守るうえで最も大切な行動となります。

まとめ|ハワイの治安は“良くない側面”を理解してから楽しむべき
ハワイは、多くの旅行者にとって憧れの場所であり続けています。しかしその一方で、表向きの楽園のイメージとは異なる「もう一つの現実」が存在するのも事実です。
- ホームレスの増加
- 軽犯罪の頻発
- 観光客が巻き込まれる未報道の事件
こうした実情を知らずに訪れた場合、期待とのギャップが不満や不安となって旅行体験を損なう可能性もあります。
治安が「悪化している」と言われる背景には、単なる偏見ではなく、社会構造や経済的課題、報道されない日常的な事件の積み重ねが存在しています。
それを理解せずに「以前と同じような感覚」で旅をしてしまうと、思わぬリスクに直面することになります。
だからこそ、ハワイを安心して楽しむためには、「危ない場所には行かない」「油断しない」「過信しない」といった基本的なリスク管理を徹底する必要があります。
危険があるから行かないのではなく、危険を知ったうえで準備し、選択肢を持って行動することこそが、現代のハワイ旅行に必要な心構えです。
旅先のリアルな一面を理解し、それでもなお訪れる価値があると感じられたとき、きっとハワイは、あなたにとってさらに意味のある場所になるはずです。