透明な海に囲まれた常夏の楽園「パラオ」
世界中のダイバーや自然好きから支持される一方で、「つまらない」「飽きる」といった声も。。
この記事では、ネガティブなイメージが広がる理由を冷静にひも解きつつ、実際に行ってみないとわからないパラオの本当の魅力に迫ります。
行くかどうか迷っている方はぜひ参考にしてください。
パラオが「つまらない」と言われる5つの理由

美しい海に囲まれ、のんびりとした時間が流れるパラオ。
そんな理想郷のような場所にもかかわらず、「パラオ旅行はつまらなかった」「期待外れだった」といった口コミが一定数あるのは事実です。
なぜ、そんな評価がされてしまうのでしょうか。ここでは、多くの人が感じやすい「つまらない」と言われる理由を掘り下げてみましょう。
アクティビティが海中心でバリエーションが少ない

パラオはなんといっても海の美しさが主役です。ダイビングやシュノーケリング、カヤック、フィッシングなど、アクティビティの多くが海に集中しています。
逆に言えば、海に興味がない、泳げない、日焼けが苦手という人にとっては、選択肢が限定されてしまうのも事実です。
また、博物館や美術館、歴史的建造物など、都市観光のような「陸のアクティビティ」が少ないため、文化体験を期待する人には物足りなく感じられるかもしれません。「一通り楽しんだら、やることがなくなった」という声が出るのも、このバリエーションの少なさが一因でしょう。
夜の娯楽、バーやナイトマーケットが少ない
パラオの夜はとても静かで、華やかなナイトライフを期待すると肩透かしを食らうかもしれません。
大型のショッピングモールやナイトマーケット、エンターテインメント施設などはなく、ローカルのバーが数件ある程度です。
現地の生活リズムは早寝早起きが基本。夜10時を過ぎると町全体が静まり返り、店も閉まってしまうため、「夜も遊びたい」という人には物足りなさを感じさせてしまうのです。
特に都会暮らしに慣れている人ほど、「夜が暇すぎる」と感じる傾向にあります。
公共交通機関がほぼない移動が不便

旅行者にとって地味にストレスになるのが移動の不便さです。
パラオには電車もバスもなく、タクシーの数も非常に少ないのが現状です。
ほとんどの観光客は、ホテルの送迎車や現地ツアー会社のシャトル、またはレンタカーを利用します。
そのため、自由に好きな場所へ移動したい人には不便で、移動のたびに手配が必要になる点を「面倒」と感じる方もいます。
観光スポットが点在しているにもかかわらず、アクセスが限定されていることも、「思っていたより楽しみにくい」と感じさせる理由の一つでしょう。
観光地の数が少なくリピートには不向き

パラオは自然を感じる体験型観光が中心なので、観光地の数自体はそれほど多くありません。メジャーなスポットであるロックアイランドやジェリーフィッシュレイク、ミルキーウェイなどは1回の旅行で回れてしまうほどです。
そのため、「一度行けば満足」という声が出やすく、何度も訪れて楽しめるような新鮮味に欠けるという評価につながってしまいます。リピーター向けの魅力的な新スポットやイベントが少ない点も、つまらないと感じられてしまう要因でしょう。
食事が飽きやすく値段が高い
最後に意外と多いのが食に関する不満です。パラオでは新鮮な魚介類やフルーツが味わえる一方で、レストランの数が限られており、料理のバリエーションもそこまで豊富とはいえません。
日本食や中華料理もありますが、本格的な味には届かないと感じる人もいます。
さらに、食材の多くを輸入に頼っているため、外食は日本よりも割高になることが多いです。
特にリゾートエリアのレストランでは、ランチ一食でも2000円以上かかることが珍しくなく、コスパ重視の旅行者にはややネックとなります。
実はここが魅力!パラオの特徴と楽しみ方

前章では「つまらない」と言われてしまう理由について紹介しましたが、実はそれらの声の裏には“違う楽しみ方を知らなかっただけ”というケースも多くあります。
パラオには、他の国では味わえない唯一無二の魅力がたっぷり詰まっているんです。
ここでは、そんな“パラオならでは”の楽しみ方や注目すべきポイントを深掘りしてご紹介します。
世界的に珍しい自然現象(ロックアイランドとジェリーフィッシュレイク)を体験できる

パラオの代名詞ともいえるロックアイランドは、エメラルドグリーンの海にぽこぽこと浮かぶ無数の小島たち。その幻想的な風景は、ユネスコの世界自然遺産にも登録されていて、訪れた人を一瞬で魅了します。
ボートに乗って島々の間を滑るように進む体験は、まさに絵本の世界に入り込んだような感覚です。
さらに驚きなのが、ジェリーフィッシュレイク(クラゲ湖)。この湖には毒を持たないクラゲが数万匹も生息しており、一緒に泳ぐことができるんです。
ふわふわと漂うクラゲたちに囲まれて浮かぶ感覚は、他では絶対に味わえない、非日常体験そのもの。「海が主役」という言葉だけでは伝えきれない、圧倒的な自然の神秘がそこにあります。
エコツーリズムの先進国で環境意識の高さが体験できる
パラオは観光地であると同時に、環境保護の取り組みでも世界的に注目されている国です。
政府は「パラオ誓約(Palau Pledge)」と呼ばれる制度を導入しており、入国するすべての旅行者が自然を尊重する旨の誓約に署名しなければなりません。

また、自然を守るためのルールも徹底されていて、特定の珊瑚礁エリアでは足をつけることすら禁じられている場所もあります。こうした姿勢は、「見る」だけでなく“自然と共生する旅”を体験できる貴重なチャンスです。
旅行を通して環境意識が高まる、そんな深い満足感が得られるのもパラオならでは。子どもと一緒に訪れて、自然と環境教育を兼ねる家族旅行にも最適です。
海の透明度は世界屈指!シュノーケリング天国
ダイビングやシュノーケリングを愛する人たちが「一度は行きたい」と口をそろえるのが、パラオの海です。透明度は30メートル以上にもなると言われ、まるで宙に浮いているような錯覚を覚えるほど。
カラフルな熱帯魚の群れ、手を伸ばせば届きそうな距離に広がるサンゴ礁、そしてウミガメやマンタとの遭遇…。海に潜れば、そこはまるで天然の水中水族館。初心者向けの浅瀬から、上級者向けのドリフトダイビングスポットまで幅広く揃っており、海に不慣れな人でも十分に楽しめます。
また、シュノーケリングだけでも十分にパラオの海の素晴らしさは味わえるので、「潜れないから…」と敬遠していた人にもおすすめしたいです。干潮時には自然にできるプールのような浅瀬で、小魚と一緒に泳ぐなんて贅沢も味わえます。
親日的?パラオの意外な国民性について

パラオを旅していると、どこか懐かしさや親しみを感じる瞬間があるかもしれません。
それもそのはず、パラオは数ある海外の国の中でも特に親日的な国のひとつ。
日本とのつながりは想像以上に深く、文化や言葉、暮らしの中に日本の影響が色濃く残っています。ここでは、パラオの国民性と日本との意外な関係について掘り下げてみましょう。
日本とパラオの歴史的なつながり
パラオと日本の関係は戦後に始まったわけではなく、実は20世紀初頭の日本統治時代にさかのぼります。
第一次世界大戦後、パラオは日本の委任統治領となり、その時代に多くのインフラ整備や日本語教育が行われました。その影響で、現在でも当時の面影が町のあちこちに残っています。
道路や橋、古い建物の構造などには日本の技術が活かされており、街中の表記にも日本語の名残が見られることがあります。
また、第二次世界大戦の激戦地となったペリリュー島には、多くの慰霊碑が立ち、日本からの訪問者も絶えません。こうした歴史的な背景が、今の親しみある関係性を築く土台になっているのです。
日本語を使う高齢者が多い
旅先で「こんにちは」「ありがとう」と日本語で話しかけられて驚いたことはありませんか?それ、パラオではよくあることです。特に高齢者の中には、流暢な日本語を話す方が意外と多く、世代によっては学校で日本語を学んでいた人も少なくありません。
市場や小さな食堂で、日本語で挨拶されてほっこりする瞬間は、旅の中でもとても印象的です。会話は難しくても、「ありがとう」や「ごめんなさい」などの基本の言葉は通じることが多く、日本人にとっては安心感を覚えるポイントです。
また、現地の人々は日本人観光客に対してとてもフレンドリーで、好意的に接してくれる印象があります。タクシーの運転手やショップの店員さんと、片言でも日本語でやりとりができる場面もあるので、言葉の壁を気にせず旅を楽しめます。
日本文化への好意的な関心
パラオの人々は、日本の文化や習慣に対して強い興味と尊敬の念を持っています。
例えば、アニメや日本食、礼儀正しさや勤勉さといった価値観は、とても好意的に受け止められています。
首都コロールには日本食レストランも複数あり、寿司やラーメン、カレーなどが地元でも親しまれています。
また、学校のイベントで日本の歌を歌ったり、日本のアニメキャラが描かれたTシャツを着ている子どもたちを見かけることもあります。日本語教育に取り組んでいる学校もあり、若い世代の中にも日本語を学ぼうとする人が少なくありません。
このような背景があるため、日本人旅行者は「よそ者」という感覚よりも、“歓迎されている”という居心地の良さを自然と感じやすいのが、パラオならではの魅力です。
【まとめ】パラオ旅行は全然つまらなくない!基本マナーを理解して旅行を楽しもう
「パラオはつまらない」という声があるのは事実。でもそれは、多くの場合“何を期待していたか”と“どんな楽しみ方を選んだか”に大きく左右されます。たしかに都市的な娯楽や派手な観光地は少ないかもしれません。でもその分、パラオには他では味わえない穏やかさや自然との一体感があります。
ロックアイランドの幻想的な景色や、クラゲと泳ぐ感動、環境保護への真摯な取り組み。海を通して学ぶこと、感じることが詰まった旅。それこそがパラオならではの価値です。日本人に親しみを持ってくれる温かな人々との触れ合いも、きっと心に残るはずです。
旅行前に基本的なマナーや文化への敬意を持つことで、より深く、より安心して楽しむことができます。のんびりした時間を受け入れることで、「何もない」じゃなくて「ここにしかない」魅力が、見えてくるはずです。