タイ国内の治安ランキング｜女性旅行者は特に危険？気を付けるべきことを解説

東南アジアの中でも、観光・グルメ・ショッピング・ビーチ…あらゆる楽しみが詰まっているタイ。
物価も安く、日本からの距離も比較的近いため、初めての海外旅行先としてもよく選ばれています。

しかしその一方で、「タイって治安どうなの？」「女性一人でも大丈夫？」といった不安の声も年々増えているのも事実。実際、エリアによってはトラブルに巻き込まれるケースも報告されており、「知らなかった」「まさかこんなところで…」という後悔の声があとを絶ちません。

そこでこの記事では、タイ国内の「治安リスク」をランキング形式紹介！
他にも女性旅行者が特に気をつけるべきポイント、現地の文化や対策まで総合的に解説します。

タイ国内の危険地帯「治安ランキング」

タイは全体的には「比較的安全」とされる国ではありますが、それでも場所によって危険度にはかなりの差があります。
外務省や現地報道、旅行者の口コミなどを参考に、特に注意が必要とされているエリアをランキング形式で3位までご紹介します。

第1位：タイ・マレーシア国境エリア｜武装勢力・爆発事件が続発

堂々の第1位にランクインするのは、タイ南部にあるマレーシア国境付近の地域です。
ここでは長年にわたって、イスラム系分離独立運動の影響による治安不安が続いており、タイ国内でも異例の緊張地帯とされています。

特にナラティワート県・パッターニー県・ヤラー県・ソンクラー県南部などは、外務省も「渡航中止勧告」や「渡航延期を検討するように」と注意を促しているほどの危険度。
爆弾テロや銃撃事件も発生しており、外国人観光客が巻き込まれるリスクもゼロではありません。

観光地としての魅力はあるものの、現地の事情を深く知らない一般旅行者が軽い気持ちで足を踏み入れるのは非常に危険です。旅行先としては、現段階では避けるのが賢明といえるでしょう。

第2位：パタヤ・プーケット｜観光地ゆえの性犯罪・ぼったくりが問題化

人気のリゾート地、パタヤやプーケットも、実は「観光客だからこそ狙われる」トラブルが頻発しているエリアです。
海やナイトライフの魅力で多くの外国人が集まるこれらの都市は、性産業と裏社会の結びつきが根強く残っている地域でもあります。

パトンビーチで友人と相撲していたら、持ち物全部取られました。ほんの5分程度目を離してしまって。。現地の警察によると、このあたりでは移民が多い関係で、置き引きが多いみたいです。プーケットに渡航される予定のある人は、僕の二の舞にならないように注意してください。リスクメイトの投稿より

特に女性旅行者にとっては、バーやナイトクラブでの性的なハラスメント、夜道での声かけ、無許可ガイドによるしつこい勧誘など、油断できない場面が多く存在します。

また、海外の口コミサイトでもよく報告されているのが、タクシーやトゥクトゥクによる過剰請求、マッサージ店での料金トラブル、知らない間にドリンクに薬物を入れられるといった悪質な事件です。

楽しいはずのリゾート地でも、観光客であることを逆手に取った詐欺や犯罪は日常的に起こっていると認識しておく必要があります。

第3位：バンコク｜詐欺・ドラッグに巻き込まれるリスクも

タイの首都バンコク。観光・ショッピング・グルメが揃い、アクセスも抜群。
しかし、都市部特有の犯罪の多様化とスピードの速さという問題も抱えています。

代表的なのが、詐欺・スリ・ぼったくり。
「今日は寺院が休みだからこっちへ」「タイシルクが半額だよ」と言って、観光客を高額な宝石店や無名ブランドに連れて行く“ツアー詐欺”は、バンコクの定番トラブルのひとつ。

バンコクサラディン周辺をバスで移動していた際、夕方で混雑する車内でバッグに入れていた携帯電話を掏られました。リスクメイトの投稿より

タクシー運転手が目的地から離れた道を通ったり、渋滞にわざと突っ込んでいったり、とメーター料金を増額させようとしていた。リスクメイトの投稿より

また、若者やバックパッカーを中心に流行しているバーやクラブでは、ドラッグ関連のトラブルや、身に覚えのない料金請求、飲み物に薬を混入される被害も報告されています。

首都だから安心、とは限らない。
むしろ、人が多くて監視がゆるむからこそ、詐欺や犯罪が起きやすい環境でもあるという点に注意が必要です。

タイの治安はイマイチ？女性旅行者が注意すべきこと

タイは微笑みの国として知られ、観光客に対してもフレンドリーな雰囲気を持つ国です。
しかし、女性旅行者が無防備に過ごしてしまうと、思わぬ被害に巻き込まれるケースも少なくありません。
特に、一人旅や夜間の行動には注意が必要です。

この章では、タイを訪れる女性が安心して過ごすために知っておくべき3つの主要なリスクと、その回避方法を解説します。

観光地での性的ハラスメントやぼったくり被害

リゾート地や観光スポット周辺では、旅行者を狙った性的ハラスメントや不当な料金請求が発生しやすい傾向があります。

たとえば、夜のビーチバーやパブでは、酔った観光客に言い寄る現地男性や、しつこくナンパしてくる“案内人”が目立ちます。

さらに、タイの観光産業には一部で性産業が絡んでいるため、“マッサージ”や“ガイド”という名目で実際には売春行為を伴う誘いがあるケースも。言葉巧みに近づいてきて、断ってもしつこく付きまとわれるという被害も報告されています。

また、女性だけのグループや一人旅の場合、「観光客だからお金をたくさん持っている」と見なされやすく、タクシーや露店でぼったくりに遭うことも。

こうしたトラブルを避けるには、なるべく人通りの多い場所を選び、地元の人と適度な距離感を保つことが重要です。
また、必要以上に目立つ服装を避けたり、現地での交渉は毅然とした態度で臨むことも効果的です。

一人旅の際に避けるべき時間帯と施設

女性の一人旅は自由度が高く魅力的ですが、夜遅くの行動や人気のないエリアへの立ち入りにはリスクがつきものです。

タイの都市部は夜遅くまでにぎわっていますが、深夜0時以降のバーや路地裏、裏道に入ると、一気に人目が減ってトラブルに巻き込まれやすくなります。
とくに、知らない人に「こっちに面白い店があるよ」「安く泊まれる場所を紹介するよ」と言われてついて行くのは絶対にNG。

また、マッサージ店やスパでも、正規のライセンスがない違法店では、不適切なサービスや無理な追加料金の要求を受けることもあります。

安全な旅を続けるには、夜は早めに宿に戻る、事前に評価の高い店をリサーチして訪問する、一人で知らない場所に入らないなど、基本的な行動管理がとても重要です。

女性向け安全対策と地元の人との付き合い方

タイの人はとても親切で、笑顔で接してくれることが多いです。
ですがその“微笑み”の裏には、「断られるのは失礼」「相手に合わせるのがマナー」という文化的な背景があることも忘れてはいけません。

つまり、「YES」と言っていても、本当は「NO」と思っていることもあるのです。
だからこそ、女性旅行者としては、相手の反応だけで判断せず、自分の感覚を大切にすることが必要です。

チャオプラヤ川に近く高級ホテルも多いバンコクのシーロム通りを夕方歩いていたらインド系と思われるカップルに路上で声をかけられ、最寄りのBTS駅の場所を聞かれた。 バンコクに詳しいので行き方を教えてあげると、返答に興味ないように国籍を尋ねてきた。 バンコクではスクンビット通りやシーロム通りなど観光客の多い界隈で中東やインド系のカップルが国籍を尋ね、日本に興味があるので日本円を見せて欲しいといい、現金を見せた瞬間すられる詐欺が多発してるので、タイ人であると回答すると、行き先を教えたお礼もなく無言で去っていった。リスクメイトの投稿より

また、現地の人と仲良くなること自体は素晴らしい経験ですが、個人的な連絡先をすぐに教えたり、現金のやり取りをするのは慎重に。
特に、出会ってすぐに食事や観光に誘われたときは、「大丈夫そう」と思っても、必ず断る勇気を持ちましょう。

こうしたちょっとした対策の積み重ねが、大きな安心と楽しい思い出につながります。

タイ旅行で気をつけたい感染症と食中毒

タイは医療水準が比較的高く、都市部には外国人向けの病院も多くあります。
とはいえ、日本とは異なる気候や衛生環境のなかでは、感染症や食中毒のリスクは確実に存在します。

特に、初めての東南アジア旅行で気候に慣れていない方、抵抗力が弱くなりがちな女性旅行者、現地の屋台グルメを楽しみたい人は、注意が必要です。

ここでは代表的な感染症の種類と予防方法、食中毒を防ぐための基本的な対策を紹介します。

デング熱・マラリア・狂犬病の流行地域と予防法

タイ国内では、特定の地域や季節によって、蚊を媒介とする感染症のリスクが高まります。
中でも旅行者が特に注意すべきは以下の3つです。

特に地方都市や寺院周辺の野犬、観光地のサルにも注意が必要です。
「かわいい」と思って近づく前に、「噛まれたら命に関わるかも」という意識を持ってください。

水や氷による食中毒

タイ旅行者の中で最も多く聞かれるのが、お腹を壊した、吐き気が止まらない、熱が出たという“食中毒”の症状です。
その原因の多くが、水や氷、屋台料理の衛生状態に関係しています。

タイの水道水は基本的に飲用には適していません。
ホテルでも「飲料用」と明記されていない限り、必ずミネラルウォーターを購入して飲むようにしましょう。
また、ジュースやカフェで使われている氷が不衛生な製氷所から仕入れられていることもあり、氷が原因で下痢になるケースも多発しています。

屋台グルメを楽しみたい人は、以下のポイントを参考にしましょう。

• 調理場が清潔かどうか確認（店主の手やまな板をチェック）
• 人が多く並んでいる屋台は回転が早くて安全な傾向あり
• 「生野菜」や「冷たい麺」は避け、加熱済みの料理を選ぶ

また、予防用として、整腸剤（ビオフェルミンや新ビオラクター）、下痢止め、経口補水液パウダーなどを日本から持参しておくと、万が一のときに助かります。

旅行先での食事は旅の楽しみの一つですが、“美味しい”と“安全”を天秤にかけて、無理しない選択を心がけることが大切です。

タイ国内にある「やばい」とされる施設・スポット3選

タイ旅行では、「せっかくだから現地っぽい体験をしたい」「人があまり行かない場所に行ってみたい」と思う方も多いでしょう。
その好奇心自体は素晴らしいことですが、情報が少ないまま訪れることで、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうリスクもあるのです。

この章では、旅行者の間で「やばい」「危なかった」と噂されることが多い3つのタイプの施設や場所を紹介します。

偽マッサージ店や過剰請求のあるナイトクラブ

まず最も多くの旅行者が遭遇するのが、表向きは普通のマッサージ店に見えて、実は性的サービスを提供している“偽マッサージ店”や“ぼったくり系ナイトクラブ”です。

バンコクのパッポン通りやナナプラザ、パタヤのウォーキングストリート周辺など、観光エリアのど真ん中に多くあります。
最初は「安くて本格的なタイマッサージです」「ショーだけ見ていきませんか？」と声をかけられますが、実際に入店すると、法外な料金を請求されたり、断っても強引にサービスを提供されたりするケースも。

また、クラブやバーではドリンク代の“上乗せ”や“チャージ詐欺”も横行しており、明細を見たら頼んでいないボトルが入っていた、チップを勝手に上乗せされた、などの報告が後を絶ちません。

対策としては、事前にGoogleマップやTripAdvisorなどで口コミをチェックする、個室ではなくオープンな施術スペースのある店舗を選ぶ、価格が明示されている店に入ることが基本です。

法外な料金を請求する観光客向けツアーやラウンジ

旅行者をターゲットにした高額なオプションツアーや、豪華に見える“VIPラウンジ”のような施設も危険エリアの一つです。
特に空港やホテルで声をかけてくる自称ガイドや旅行会社スタッフが提供するツアーには注意が必要です。

たとえば、「象に乗れる！」「本物のムエタイが観られる！」という勧誘文句でツアーに申し込んだ結果、

・象が鎖でつながれていてかわいそうな環境だった
・ムエタイショーは5分で終わり、あとはお土産屋巡りだった
・食事付きと聞いていたのに屋台レベルの料理だった

など、実際の体験と価格がまったく見合っていないと感じることが多々あります。

中には、終了後に追加料金を請求されたり、置き去りにされたという事例も存在します。
安全で納得のいく体験をするためには、信頼できる大手のツアー会社を利用し、その場の勧誘に安易に乗らないことが大切です。

バンコク郊外にある一部の「やばい」闇マーケット

観光客にあまり知られていない場所へ行きたい、地元っぽいところで買い物したい、と思って向かう人も多いのが、バンコク郊外のローカルマーケットやナイトバザールです。
しかし、そこには“ディープすぎる”マーケットも存在します。

例えば、チャトゥチャックの裏手にある違法な動物販売店や、スラム街近くで開かれるナイトマーケットでは、

・コピー品（偽ブランド）の売買
・無許可のアルコール販売
・怪しい薬やドラッグの販売

などが、あからさまに行われている区域もあります。

警察の目をかいくぐって営業しているため、トラブルに巻き込まれても「自己責任」で片付けられることも多く、現地での保護が受けられないことも。

こうした場所では、観光客が現金を持っていると見なされ、スリやひったくりに遭いやすくもなるため、あえて行く必要はありません。

「危険な香りがする場所」は、やはり本当に危険なのです。
“ローカルな体験”と“無防備な突入”は、まったく違う行為だということを忘れないでください。

タイの文化と旅行者が誤解しやすいポイント

タイは「微笑みの国」と呼ばれるほど、優しく穏やかな人々に溢れた国です。
とはいえ、その笑顔の裏には強い宗教的信念や伝統的価値観がしっかりと根付いています。
旅行者がその背景を知らずに無意識のうちにタブーを犯してしまうと、思わぬ誤解やトラブルにつながることも。

ここでは、特に日本人旅行者が誤解しやすい3つの文化的ポイントをピックアップしてご紹介します。

タイでは“頭は神聖・足は不浄”という価値観が強い

まず最も基本的でありながら、日本人にはなかなか馴染みのない価値観が、“体の部位に対する尊敬とタブー”です。

タイでは、頭は“最も神聖な部分”とされており、たとえ親しい間柄であっても、子どもの頭を撫でたり、軽く触れたりすることは失礼にあたります。
うっかり現地の子どもに「可愛いね」と頭を撫でてしまうと、親や周囲から強く注意されることもあるので注意が必要です。

反対に、足は“不浄”と見なされる部位であり、

・仏像の前で足を投げ出して座る
・人をまたぐ
・足で物を押したり、ドアを閉めたりする

などの行動は非常に無礼とされます。

寺院での座り方ひとつでも、足を後ろに曲げる「ワイ・ポーク」スタイルが好まれ、足を前に出すのはNG。
こうした点を意識するだけでも、現地の人からの印象が大きく変わります。

タイ人の微笑みに隠れた“NOと言わない”スタイル

タイの人々はとても穏やかで、怒ることを極端に嫌う国民性を持っています。
そのため、相手に対して「NO」とはっきり断ることを避け、やんわりとした表現や笑顔で対応することが多いのです。

たとえば、 「この道まっすぐで合ってますか？」
→ 実は間違っていても、笑顔で「Yes yes」と返してくる。

「この料理は辛くないですか？」
→ 本当は激辛でも「少しだけね」と微笑む。

こういったやりとりは、親切心からくるものなのですが、日本人がそのまま信じてしまうと「話が違うじゃん」と感じてしまうこともあるでしょう。

ポイントは、「笑顔＝肯定」ではないことを知ること。
相手の表情や仕草、声のトーンから、真意を“察する”力が必要になります。
タイでは「気配り」や「空気を読む力」が、とても重要なコミュニケーションスキルなんです。

王室や仏教への無理解は最悪の場合、逮捕もあり得る

タイで絶対に避けなければならないのが、王室や宗教に対する不敬行為です。
これは“マナー違反”では済まされず、刑事罰の対象になる可能性がある非常に重大なタブーです。

特に注意すべき行為としては、

• 王室の写真に対して落書きや批判的発言をする
• タイ王の肖像画が描かれた紙幣を踏む、落とす、破く
• 寺院でふざけたポーズや露出の多い服装で写真を撮る
• 仏像に触れる、仏像に背を向けて記念撮影する

こうした行動は、たとえ“冗談”や“知らなかった”であっても、現地の法律では「侮辱」として罰せられることがあるのです。

実際に、SNSに王室を侮辱する投稿をした外国人がタイで拘束された事例もあります。
それほどまでに、タイにおける王室と宗教の存在は“絶対的な尊敬の対象”であり、外国人旅行者であっても例外ではありません。

旅行者としては、王室や仏教に関わる場面では、常に“敬意”を持った態度を取ることが、トラブルを避ける最も確実な方法です。

まとめ｜タイ旅行は危険？正しい知識と文化理解で安心旅へ

「タイは危険だって聞いたけど、本当？」
「女性の一人旅でも大丈夫かな？」
こういった疑問を持つ人は決して少なくありません。

確かに、マレーシア国境付近の治安悪化、観光地での詐欺、感染症リスク、文化的なタブーなど、タイには注意すべき点がいくつも存在します。
ですが、その多くは“事前に知っていれば避けられるトラブル”でもあるのです。

現地の文化や価値観を理解し、危ないエリアを把握し、適切な行動をとる。
たったそれだけで、タイは非常に魅力的で、安全に楽しめる旅先になります。

たとえば…

• ぼったくりを避けるには、価格表示のある店や配車アプリを使う
• 感染症を防ぐには、蚊よけや水選びを徹底する
• 文化の尊重を示すには、王室や仏教に対する礼儀を忘れない

そうした小さな意識の積み重ねが、あなたの旅を快適で充実したものに変えてくれます。