「ベネズエラって、そんなに危ないの?」と思う人、きっと多いですよね。
南米らしい陽気な文化、美しい自然がある一方で、「世界で最も危険な国」とも言われるのがベネズエラ。
特に首都カラカスは、ニュースでもしばしば物騒な話題が取り上げられています。
この記事では、ベネズエラの治安が悪化した理由から、現地で実際に起きているリアルな事件まで、わかりやすく徹底解説していきます!
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ベネズエラの治安はなぜ悪い?根本的な4つの理由

ベネズエラの治安悪化は、単なる一時的な問題じゃありません。背景には長年積み重なった深刻な原因があります。
この章では、なぜここまで治安が悪くなったのか、4つの大きな理由をピックアップして詳しく説明していきます!
① 経済崩壊とハイパーインフレで犯罪が激増

まず外せないのが、ベネズエラの経済崩壊です。かつては石油マネーで潤っていた国も、今ではハイパーインフレで通貨の価値が紙くず同然。スーパーに行っても買えるものはほとんどなく、人々は生きるために必死になっています。
当然、食べ物やお金を手に入れるために強盗や窃盗が急増。犯罪が「日常」になってしまったのです。しかも、犯人たちは武装していることがほとんどなので、軽い気持ちで抵抗しようものなら命に関わる危険も…。
② 政治腐敗と警察・軍の機能不全
経済の混乱だけじゃなく、政治も完全に壊れています。政府の腐敗が深刻で、警察や軍までもがまともに機能していないのが現実です。
一部の警察官は賄賂を要求し、ギャングと癒着しているケースも珍しくありません。つまり、犯罪に巻き込まれても、頼れるはずの公的機関が助けてくれない状況。市民たちは「自分の身は自分で守るしかない」という厳しい現実に直面しています。
③ ギャングと武装組織が支配する街

カラカスをはじめ、多くの都市ではギャングや武装組織が実質的に街を支配しています。彼らはエリアごとに縄張りを持ち、そこに住む人々を「税金」と称して搾取。抵抗すれば命はないと言われるほど、恐ろしい存在です。
しかも、これらの組織は単なる暴力団ではなく、政治家や警察と裏で手を組んでいることも。一般市民にとっては、完全に「敵だらけ」のような世界になっているのが今のベネズエラなんです。
④ 市民も武装!誰も信用できない社会
この混乱の中で、市民たちも自衛のために武装するようになりました。銃を持つことが普通になり、ちょっとしたトラブルがすぐ発砲事件に発展するケースも後を絶ちません。
加えて、誰が本当に安全な人で、誰が犯罪者なのか、外見だけでは全くわからないという怖さもあります。観光客から見ると、普通に歩いている人ですら「敵か味方かわからない」状況。まさに、信用が崩壊した社会がそこには広がっています。
【要注意】カラカスは本当にやばい?現地で起きていること

「ベネズエラの首都=カラカスは特に危ない」とよく聞きますが、具体的にはどれくらいやばいのか気になりますよね。
この章では、カラカスで現実に起きている治安の悪さや、市民たちのリアルな生活事情を掘り下げていきます!
カラカスの殺人率は世界ワーストクラス
カラカスは、数ある世界の都市の中でも、堂々の“殺人率ワーストクラス”にランクインしています。
とにかく発砲事件や殺人事件が多い。普通に昼間から銃声が聞こえることも珍しくありません。
そして、怖いのが「間違って巻き込まれる」パターン。ターゲットではなかったのに、近くにいただけで流れ弾に当たる…なんて悲劇も実際に起きています。
旅行者にとっては、命の危険と隣り合わせだという現実を、絶対に甘く見ないでください。
普通の生活が危ない?強盗・誘拐・詐欺の実態
カラカスでは、普通にスーパーへ買い物に行くことさえ危険が伴います。路上ではひったくりや強盗が頻発していて、さらに、タクシーを装った誘拐事件も後を絶ちません。
特に観光客は「カモ」として目をつけられやすいので、現地民以上に警戒心を持って行動しないとアウトです。
最近では、詐欺の手口もどんどん巧妙になっていて、「警察官」を名乗るニセモノにパスポートを見せたら、そこから金銭を巻き上げられた、なんて被害も報告されています。本物か偽物か、もはや見分けるのも難しいレベルなんです。
夜道は絶対NG?カラカス市民のリアルな防犯対策
カラカスでは「夜は絶対に外出しない」が常識です。日没後に一人で出歩くなんて、自殺行為レベル。
だから現地の人たちも、仕事が終わったら即家に帰る、外食するなら昼間のうちに済ませる、といったライフスタイルが当たり前になっています。

さらに、防犯対策として高い塀や鉄格子、監視カメラを備えた家もザラ。家族単位で防犯訓練をしているところもあり、「どう身を守るか」が日常生活の一部になっているのです。
観光客であっても、「暗くなったら絶対ホテルにいる」を鉄則に、無理な外出は避けましょう!
【実録】ベネズエラ・カラカスで実際に起きた事件まとめ

カラカスで実際に発生した重大事件を、背景や特徴、そしてそこから学べるポイントまでセットで解説します。
単なる怖い話で終わらせず、「どう気をつけるべきか」まで掘り下げていきます!
マドゥロ大統領暗殺未遂事件(2018年)
2018年8月、カラカスで開催されていた軍事パレード中に、ニコラス・マドゥロ大統領を狙ったドローン爆弾攻撃が発生しました。
この事件では兵士7人が負傷し、大統領は無事だったものの、政権への不満と社会不安が極限に達している現実が世界に知れ渡りました。犯行グループは、極度に悪化した経済と政権腐敗に対する反発心を持った反政府勢力と見られています。
政情不安が続く国では、政府イベントやデモに近づくのは非常に危険です。どんなに興味があっても、パレードや政治集会には絶対に近寄らないようにしましょう。
アントニオ・サノ調教師の誘拐事件(2009年)
競馬界で著名だったアントニオ・サノ氏が、自宅近くで武装グループに誘拐され、36日間監禁されました。
家族が身代金を支払い、無事に解放されたものの、治安悪化により「金目当ての誘拐ビジネス」が広がっていることが改めて浮き彫りになりました。
外国人や成功しているビジネスマンは、特に誘拐リスクが高くなります。滞在中は金持ちに見える行動(ブランド品を身につける、現金を多く持ち歩くなど)は避け、移動ルートや滞在先の情報は必要以上に周囲に漏らさないよう注意が必要です。
野党指導者の義理の息子誘拐事件(2025年)
2025年1月、ベネズエラの野党リーダー、エドムンド・ゴンサレス氏の義理の息子がカラカスで誘拐されました。
この事件は単なる金銭目的ではなく、政治的圧力の一環として行われた可能性が指摘されています。ベネズエラでは、政治家の家族さえもターゲットになる状況が続いています。
政治的に不安定な国では、「外国人=スパイ疑惑」など根拠のない疑いをかけられるリスクもあります。無用なトラブルを避けるため、現地では政治的な話題に深入りせず、静かに行動するのが賢明です。
元世界王者アントニオ・セルメニョ氏の誘拐・殺害事件(2014年)
2014年2月、ボクシングの元世界チャンピオン、アントニオ・セルメニョ氏がカラカス郊外で武装グループに誘拐され、その後遺体で発見されました。
セルメニョ氏の殺害は、国内外で大きな衝撃を与え、「もはや有名人すら安全ではない」という認識を強くしました。
有名人や外国人でなくても、目立った存在になると狙われる可能性があります。SNSでリアルタイムに位置情報を発信する、派手な行動をするなど、自分の存在を無防備にさらす行為は絶対に避けましょう。
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最新のベネズエラの治安情報を外務省データから解説

ニュースだけではわからない最新の危険レベルって気になりますよね?
この章では、外務省が発信している公式データをもとに、今のベネズエラの治安状況をリアルに解説していきます!
危険レベル2と3しかない
まず最初に知っておいてほしいのは、ベネズエラ全土が「危険レベル2以上」に設定されていること。
これ、普通じゃないです。
- 危険レベル2:「不要不急の渡航は止めてください」
- 危険レベル3:「渡航は止めてください(退避勧告)」
という意味なので、どこに行っても“完全に安全”な場所はない、ということになります。
特にカラカスや国境周辺では、強盗、誘拐、殺人、武装勢力による犯罪が多発。
外務省も「渡航自体を推奨しない」と明言しており、旅行どころか、ビジネス渡航でもかなり慎重な判断が求められます。
【参考リンク】▶︎ 外務省海外安全ホームページ:ベネズエラ危険情報
2025年2月にはベネズエラとコロンビアの国境で爆弾事件が発生している
さらに最近の事件として、2025年2月にベネズエラとコロンビアの国境地帯で爆弾事件が発生しています。
爆発によって複数人が負傷、国境を越えようとしていた市民や観光客も巻き込まれるという大惨事になりました。
この事件は、国境地帯を支配する武装組織同士の抗争が原因とされ、現地治安はさらに悪化。国際社会でも大きな懸念材料となっています。
国境エリアはもともとリスクが高かったですが、今後しばらくは絶対に近づかないほうが賢明です。安全情報は日々変わるので、外務省や現地大使館の最新情報を必ずチェックしましょう。
>在ベネズエラ日本国大使館「ベネズエラ・コロンビア国境付近での爆弾事件の発生」
まとめ:ベネズエラの治安は悪い!不要不急の渡航以外はおすすめできない

ここまで見てきた通り、ベネズエラ、特にカラカスは、観光地として考えるにはリスクがあまりにも高すぎる場所です。
事件の数、犯罪の質、そして政府機関や警察の腐敗レベル…どれを取っても、今のところ状況が劇的に改善する気配はありません。
一見、陽気でカラフルな街並み、美しい自然、音楽に満ちた文化…。
確かに、ベネズエラには本来素晴らしい魅力があります。だけど、それを体験するために命を危険にさらす必要があるか?と考えると、答えは正直「NO」です。
外務省も渡航自粛を呼びかけていますし、現地の市民ですら「できれば出たい」と思っている国。
特別な理由(仕事、家族の事情など)がない限り、今は不要不急の渡航は控えるのが一番賢い選択です。どうしても行かなければならない場合は、
- 最新の安全情報を毎日チェックする
- 現地では極力目立たない行動を取る
- 夜間外出は絶対に避ける
- 複数人で行動する
- 常に「最悪のシナリオ」を想定して行動する
この5つを必ず徹底してください。