カラフルな街並みと陽気な音楽、美味しい料理にあふれたメキシコは、女性旅行者にとっても魅力的な旅先の一つ。
しかしその一方で

「メキシコって女性にとって危険じゃないの?」
「一人旅はやめた方がいいかも」
といった不安や警戒心も根強く存在します。
この記事では、女性がメキシコを旅する際に直面するリスクとその回避方法について、リアルな情報をもとに解説していきます。
メキシコはなぜ「女性にとって危険」と言われるのか?


多くの旅行ガイドやSNS、実際の体験談の中で、「メキシコは女性にとって危ない」という言葉が語られることがあります。
その根拠は感覚的な噂ではなく、現地で発生している事件や社会情勢に基づいた事実に支えられている場合が少なくありません。


女性旅行者を狙った事件や強盗が一部地域で多発
メキシコ全土が危険というわけではありませんが、観光地や都市部でも女性旅行者をターゲットにした犯罪が一部地域で報告されています。
特にスマートフォンを片手に歩いていたり、観光客らしい格好をしていたりする場合、スリや引ったくり、場合によっては強引な金銭要求に遭遇するケースもあるようです。


- タクシーやライドシェアを装った偽ドライバーによるトラブル
- レストランやバーで飲み物に何かを混入される事件
なども発生しており、女性一人での行動が狙われやすい傾向があります。特に夜間や人通りの少ない場所では、細心の注意が必要です。
女性殺害事件の増加と報道されないケースの存在
メキシコ国内では、女性に対する暴力や殺害事件が社会問題となっており、実際に「フェミニシード(女性殺害)」という言葉が使われるほど事態は深刻化しています。
警察の対応が不十分だったり、事件がメディアで取り上げられなかったりする例も少なくなく、旅行者にとっては「知らずに危険なエリアに足を踏み入れる」リスクがあります。
もちろん、観光客が常にそのような事件に巻き込まれるわけではありませんが、背景としてこのような治安状況があることを理解しておくことは非常に重要です。
メキシコの一人旅・女子旅で起きやすいトラブルとNG行動


メキシコを旅する女性にとって、一人旅や女子旅は自由で魅力的な選択肢です。
ただし、自由にはリスクも伴います。「知らなかった」「大丈夫だと思った」ことで、トラブルに巻き込まれるケースは少なくありません。
この章では、実際に起きた事例をもとに、どのような行動がリスクに繋がりやすいかを解説します。
声かけ・ナンパ・ホテルでの不審行動
現地の男性から声をかけられるシーンは、カフェ、レストラン、ビーチ、移動中のタクシーなど、旅行中ほぼあらゆる場面で発生する可能性があります。最初はフレンドリーに見えても、話しているうちに強引に連絡先を聞かれたり、無理に誘いをかけられたりすることもあります。
さらに厄介なのは、宿泊しているホテル内でのトラブルです。スタッフの中には観光客を狙って不適切な行動をとる者もおり、鍵のかけ忘れやドアの確認不足から室内に侵入されるケースも報告されています。こうした事態を避けるには、常に部屋を施錠し、フロント以外のスタッフとの接触には警戒心を持つことが重要です。


露出の多い服装と距離感には注意が必要
露出の多い服装は気候的には適していても、地域によっては「誘っている」と誤解されることがあり、声かけやハラスメントの原因になる可能性があります。特に保守的な地域では、肩や太ももが露出している服は避け、現地女性の服装を参考にするのがベストです。
また、現地男性との距離感にも注意が必要です。日本と違い、フレンドリーな態度を“好意”と誤解されることがあるため、最初から曖昧な態度を取らず、NOをはっきり伝えることが自分を守る鍵になります。お酒の場でのテンションやボディランゲージも、誤解の元になりやすいため、コントロールが必要です。
危険エリアでの夜間の移動やバーでの単独行動


夜になると、街の雰囲気は大きく変わります。観光地であっても、人気が少なくなる裏通りやバー周辺ではトラブルの発生率が上がると言われています。女性が一人でバーやナイトクラブに出かけた結果、酔った男性に付きまとわれたり、荷物やスマホを盗まれるなどの被害も確認されています。
また、暗くなってからの徒歩移動は、エリアを問わずリスクが高まります。昼間に安全だと思っていた通りが、夜は雰囲気がまるで違うことも多く、油断は禁物です。配車アプリを利用する場合も、正規のドライバーかどうかの確認を怠らないようにしましょう。


メキシコの比較的安全なエリアと、女性が避けるべき場所
メキシコ全体が危険というわけではありません。
むしろ、地域によって治安には大きな差があり、女性が一人でも安心して過ごせる都市やエリアも確かに存在します。この章では、旅行者にとって比較的安全とされる場所と、女性ができるだけ避けるべきエリアを明確に紹介します。
旅行者に人気の安全エリア(メキシコシティ中心部・メリダなど)


メキシコシティの中でも、ポランコ(Polanco)やコヨアカン(Coyoacán)、ローマ・コンデサ地区(Roma・Condesa)などは、治安が比較的安定しており、地元の富裕層や外国人居住者が多く暮らしているエリアです。
治安対策が整っており、おしゃれなカフェやレストラン、ブティックが並ぶエリアは、女性が一人で歩いても安心感があります。
また、ユカタン州の州都・メリダ(Mérida)は「メキシコで最も安全な都市」とも呼ばれており、落ち着いた雰囲気と温かな市民性が特徴です。
歴史ある街並みと文化体験ができるだけでなく、犯罪発生率が非常に低いため、女性の一人旅や女子旅にもおすすめです。
注意が必要なエリア(シナロア州・ゲレロ州・夜のバスターミナル周辺)


一方で、避けるべきとされるのが、麻薬カルテルの抗争や治安の不安定さで知られる地域です。とくにシナロア州(Sinaloa)やゲレロ州(Guerrero)では、凶悪事件や誘拐などが報告されており、外務省の海外安全情報でも渡航の是非を再検討するよう警告が出されることがあります。
また、どの都市でも共通して注意が必要なのが、長距離バスのターミナルやその周辺です。特に深夜や早朝に到着・出発する便を利用する際は、人通りの少ない時間帯に一人で行動しない、待機場所を選ぶときは必ず明るく人の多いエリアを選ぶなど、細心の注意が求められます。
まとめ|リスクを知れば、メキシコの旅はもっと安心できる
メキシコは、カラフルな文化、美しいビーチ、世界遺産にも登録された歴史的建造物、そして陽気な音楽と料理にあふれた、非常に魅力的な国です。だからこそ、「危ないから行かない」ではなく、「知識を持って行動することで、より安心して楽しむ」という姿勢が女性旅行者には求められます。
たしかに、メキシコには一部治安の悪い地域や、女性を狙った犯罪が報告されているエリアも存在します。しかし、それはすべての都市が危険というわけではなく、比較的安全とされる場所を選び、慎重な行動を心がければ、リスクを最小限に抑えることは可能です。
一人旅でも女子旅でも、自分の行動をコントロールすることで得られる安心感は、旅全体の充実度にもつながります。服装、言動、滞在先、移動手段、そして「何かおかしい」と思ったときの判断力。これらを意識するだけで、“メキシコは女性にとって危険”という先入観を乗り越え、自分らしい旅を築くことができます。
「危ない国」ではなく、「注意が必要な国」。その視点でリスクと向き合うことが、あなたのメキシコ旅をもっと自由に、もっと楽しくする第一歩となるでしょう。