「アフリカは治安が悪い」とよく聞くけれど、なぜそこまで治安が悪いのか、理由まで説明できる人は多くありません。
実はアフリカの治安の悪さには、貧困や格差、若者の失業、弱い警察・司法、テロ組織の台頭など、いくつもの原因が複雑に絡み合っています。
この記事では、アフリカの治安が悪い7つの根本原因をデータで解説し、旅行者が実際に遭った被害報告を「リスクメイト」から多数引用して紹介します。
危険な国・地域、比較的安全な国、具体的な安全対策までまとめたので、アフリカ渡航前にぜひ参考にしてください。
リスクメイト笑顔アフリカの治安が悪い「理由」と「旅行者が実際に遭った被害」をセットで解説するよ!理由がわかれば、身を守る方法も見えてくるんだ。
アフリカの治安はなぜ悪い?まず知っておきたい「危険の正体」


アフリカの治安がなぜ悪いのかを考える前に、まず「どんな危険が、どこで起きているのか」を整理しておきましょう。
アフリカの治安の悪さは一言で語られがちですが、その中身は国や地域によってまったく異なります。
54か国を「アフリカ」とひとくくりにすると見誤る
アフリカ大陸には54もの国があり、面積は中国・アメリカ・インド・ヨーロッパを合わせたよりも広大です。
モーリシャスやボツワナのように比較的落ち着いた国もあれば、スーダンやマリのように紛争・テロで外務省が退避を勧告している国もあります。
「アフリカ=全部危ない」ではなく、国・都市・エリア単位で危険度を見極めることが何より大切です。
数字で見るアフリカの治安|殺人率は日本の100倍超の国も
治安の悪さを示す代表的な指標が「人口10万人あたりの殺人発生率」です。
南アフリカ警察(SAPS)の統計では、2024年の南アフリカの殺人件数は26,232件、1日平均約72人が殺害される計算で、殺人発生率は10万人あたり約42件にのぼります。
日本の殺人発生率はおおむね0.2〜0.3件前後なので、日本の100倍を超える水準です。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)の2022年データでも、南アフリカはデータのある国・地域の中で世界3番目に高い殺人率とされています。
旅行者が実際に遭うのは「凶悪犯罪」より「身近な犯罪」
とはいえ、旅行者が最も遭遇しやすいのは殺人やテロではありません。
リスクメイトに寄せられたアフリカの被害報告を見ると、路上強盗・ひったくり・ぼったくり・空港での恐喝・睡眠薬強盗といった「身近な犯罪」が中心です。
統計上の凶悪さだけでなく、旅行者が狙われやすい手口を知っておくことが、被害を防ぐ一番の近道になります。
- 54か国で治安レベルは大きく異なる(国・都市単位で判断)
- 南アフリカの殺人発生率は10万人あたり約42件(日本の100倍超)
- サヘル地域などではテロ・紛争による外務省の退避勧告も
- 旅行者の被害は強盗・ひったくり・詐欺・恐喝が中心
アフリカの治安が悪い7つの根本原因|貧困・格差・若者の失業…


では、なぜアフリカの治安は悪いのでしょうか。
ここでは国際機関のデータをもとに、治安悪化の背景にある7つの根本原因を解説します。
どれか1つではなく、複数の要因が重なり合っていることがポイントです。
理由①|極端な貧困と「世界最悪レベル」の経済格差
最大の要因は貧困と格差です。
世界銀行の報告書(2022年)では、南アフリカは世界164か国中もっとも不平等な国とされ、上位10%の人々が富の80%以上を保有していると指摘されています。
周辺のボツワナ、エスワティニ、レソト、ナミビアも格差が大きく、南部アフリカは「世界で最も不平等な地域」です。
高級住宅街のすぐ隣にスラムが広がる環境では、「持っている人から奪う」犯罪が生まれやすくなります。
こうした格差には、アパルトヘイトや植民地支配の遺産が今も影を落としています。
理由②|若者人口の爆発と「仕事がない」現実
アフリカは年齢の中央値が約19歳と、世界で最も若い大陸です(日本は約49歳)。
一方で若者の雇用は追いついておらず、国際労働機関(ILO)によるとサハラ以南アフリカでは2025年時点で若者の21.6%が仕事にも教育・訓練にも就いていない(NEET)状態です。
南アフリカでは若者の約半数が失業しているとも言われます。
「働き口のない若者が大量にいる」状況は、ギャングへの加入や強盗・詐欺に手を染める温床になってしまいます。
理由③|植民地時代の「いびつな国境」と民族対立
アフリカの国境線の多くは、19世紀末に欧州列強が現地の民族分布を無視して定規で引いたものです。
その結果、1つの国に対立する民族が押し込まれたり、同じ民族が複数の国に分断されたりしました。
独立後もこの歪みが内戦・クーデター・民族間の暴力の火種となり、国家としてのまとまりや治安維持を難しくしています。
理由④|警察・司法が機能しにくい「弱い国家」と汚職
治安を守るはずの警察や司法が十分に機能していないことも大きな理由です。
警察官の給与が低く人員も不足しているため、賄賂の要求や、事件を捜査しても犯人が捕まらないといった状況が珍しくありません。
「犯罪をしても捕まらない」という環境が、さらに犯罪を呼び込む悪循環を生んでいます。
実際にリスクメイトには、空港の入国審査で賄賂を要求されたという報告も寄せられています。
セネガル
恐喝/脅迫
訪問日
2024年
投稿日
2025年
ダカール国際空港の入国審査で宿泊先のホテル名を聞かれ、スムーズに入国スタンプを押されたものの、その後に思わぬ要求を受けることに…
理由⑤|銃器の拡散と組織犯罪の広がり
過去の内戦や紛争で出回った銃器が、今も多くの国で闇市場を通じて簡単に手に入る状態です。
そのため強盗でも銃やナタが使われやすく、被害が深刻化しがちです。
さらに麻薬・密輸・人身取引などの国際的な組織犯罪がアフリカを中継地として利用しており、ギャング抗争の背景にもなっています。
理由⑥|テロ組織の台頭(サヘル地域は世界のテロの中心地)
近年のアフリカで特に深刻なのがテロです。
経済平和研究所の「世界テロ指数(GTI)2025」によると、2024年の世界のテロ死者のうち51%がサヘル地域に集中し、ブルキナファソが世界で最もテロの影響を受けた国とされました。
翌2025年もテロ死者のほぼ半数がサヘル地域で発生しており、テロの中心は中東からアフリカへと移っています。
マリ、ニジェール、ナイジェリア北部などでは、イスラム過激派による村落や外国人への襲撃が続いています。
理由⑦|選挙・政情不安が引き起こすデモと暴動
アフリカでは選挙や政権交代のたびに、大規模なデモや暴動に発展するケースが少なくありません。
政府への不満が強く、民主的な制度が十分に根づいていない国では、選挙結果をきっかけに暴力が噴き出すことがあります。
リスクメイトにも、ケニアの大統領選挙後に暴動が起き、ホテルから出られなくなったという生々しい報告があります。
ケニア
デモ/ 暴動
訪問日
2024年
投稿日
2024年
大統領選挙後に暴動が起き、ナイロビでは銃声が鳴り響いてほぼ外出できず、ホテルに缶詰め状態に。暴動は約2か月にわたって続きました…



貧困、失業、弱い警察、テロ…どれか1つじゃなくて、いくつもの原因が絡み合っているんだね。だからこそ国ごとに「何が危ないのか」を知っておくことが大事なんだ。
- ① 極端な貧困と世界最悪レベルの経済格差
- ② 若者人口の急増と深刻な仕事不足
- ③ 植民地時代の国境線が生んだ民族対立
- ④ 警察・司法の機能不全と汚職
- ⑤ 銃器の拡散と組織犯罪
- ⑥ サヘル地域を中心としたテロ組織の台頭
- ⑦ 選挙・政情不安によるデモや暴動




【体験談】リスクメイトに寄せられたアフリカのリアルな被害報告


ここからは、旅行者や在住者が実際に遭遇したアフリカの被害を、海外安全情報アプリ「リスクメイト」の投稿から紹介します。
統計だけでは見えない「どんな場所で、どんな手口に遭うのか」をイメージしてみてください。
南アフリカ|昼間の街歩きでも強盗に囲まれる
南アフリカでは、観光地や中心街を歩いているだけで強盗に遭う被害が繰り返し報告されています。
特にヨハネスブルグのヒルブロウ地区は、地元の人でも近づかないと言われるエリアです。
ケープタウンでも2026年に、歴史的観光名所の近くで邦人が強盗被害に遭っています。
南アフリカ
強盗/窃盗
訪問日
2024年
投稿日
2026年
世界的に見ても治安が極めて悪いとされるヨハネスブルグのヒルブロウ地区で、歩いているだけで複数の男たちに囲まれ、詰め寄られる事態に遭遇しました…
南アフリカ
強盗/窃盗
訪問日
2026年
投稿日
2026年
9月8日、邦人男性旅行者がケープタウンのキャッスル・オブ・グッドホープ南側を歩行中に強盗被害に遭いました。日本人は街中で目立つと自覚していたものの…
ケニア|白昼の集団強盗と「睡眠薬入りの飴」
ケニアの首都ナイロビでは、10人規模の集団で襲いかかる強盗や、乗合バスで睡眠薬入りの飴を渡される手口が報告されています。
親切そうな相手からもらった飲食物を口にするのは、アフリカでは非常に危険です。
ケニア
強盗/窃盗
訪問日
2024年
投稿日
2024年
知人がナイロビの大きな公園を歩いていたところ、10人ほどの集団が一斉に襲いかかってきて、貴重品はもちろん靴まで、すべての物を奪われました…
ケニア
傷害/殺人
訪問日
2024年
投稿日
2024年
ティカからナイロビへ向かう乗合バス(マタツ)で、隣に座った優しそうな女性から飴をもらって舐めたところ、それ以降の意識がなくなり…
ナイジェリア・ウガンダ|深夜の空港とバイクひったくりに要注意
西アフリカ・東アフリカでは、深夜到着の空港での恐喝や、バイクタクシーを使ったスマホのひったくりが目立ちます。
到着直後や、路上でスマホを操作している瞬間は特に狙われやすいタイミングです。
ナイジェリア
恐喝/脅迫
訪問日
2024年
投稿日
2025年
ラゴス国際空港に深夜2時に到着。朝まで過ごせる空港ではないため、予約していた空港近くのホテルに迎えの車を手配してもらったところ…
ウガンダ
スリ/ 置き引き
訪問日
2026年
投稿日
2026年
2026年9月5日16時頃、カンパラ市内ブゴロビ地区の路上でスマートフォンを使用中の邦人が、バイクタクシーに乗った人物にスマホをひったくられる被害に…
エジプト・モロッコ|観光地のぼったくり・詐欺は日常茶飯事
北アフリカは凶悪犯罪こそ比較的少ないものの、観光客を狙ったぼったくり・詐欺が非常に多い地域です。
「写真を撮ってあげる」「道を案内してあげる」といった親切を装った声かけには要注意です。
エジプト
ぼったくり/ 詐欺
訪問日
2019年
投稿日
2026年
ピラミッド付近の砂漠で、観光客を乗せるラクダを指さしながら現地の人たちが写真撮影を持ちかけてきて、気づけばカメラを…
モロッコ
ぼったくり/ 詐欺
訪問日
2020年
投稿日
2026年
道が入り組んだフェズの旧市街を友人と観光中、少しきょろきょろしていたところ、現地の男性が親切そうに案内を申し出てきて…
治安が特に悪いアフリカの国・地域はどこ?エリア別に解説





アフリカの危険はエリアごとに「タイプ」が違うよ。地図をイメージしながら確認してみよう!
アフリカの中でも、治安の悪さのタイプは地域ごとに大きく異なります。
ここでは代表的な3つのエリアに分けて、どんな危険があるのかを解説します。


南部アフリカ|殺人・強盗など「凶悪犯罪」が突出
南アフリカやレソトなどの南部アフリカは、殺人・強盗・カージャックなどの凶悪犯罪が世界でもトップクラスに多い地域です。
テロや紛争は少ないものの、都市部の犯罪率が非常に高く、夜間の外出や徒歩移動は原則避けるべきとされています。
ヨハネスブルグ中心部、ケープタウンのケープフラッツ地域などは特に注意が必要です。
サヘル地域|テロと誘拐の危険が最も高いエリア
マリ、ブルキナファソ、ニジェールなどサハラ砂漠南縁のサヘル地域は、世界で最もテロ被害が集中する地域です。
外務省は多くの地域にレベル4:退避してください(退避勧告)を発出しており、外国人を狙った誘拐の危険も指摘されています。
観光目的での渡航は現実的ではないエリアと考えましょう。
紛争が続く国|スーダン・南スーダン・コンゴ民主共和国・ソマリア
スーダンや南スーダン、コンゴ民主共和国東部、ソマリアなどでは、政府軍と武装勢力の戦闘や、武装勢力による住民への襲撃が続いています。
これらの国の多くの地域にも外務省の退避勧告(レベル4)が出ており、一般の旅行者が立ち入れる状況ではありません。
- 南部アフリカ:殺人・強盗・カージャックなどの凶悪犯罪
- サヘル地域:イスラム過激派によるテロ・外国人誘拐
- 紛争国(スーダン・南スーダンなど):戦闘・武装勢力による襲撃
- 北アフリカ:観光客狙いのぼったくり・詐欺・スリ
- 東アフリカ:都市部の強盗、バイクひったくり、選挙時の暴動




それでも行きたい!治安が比較的良いアフリカの国


アフリカ全体が危険なわけではありません。
政治が安定し、観光インフラも整った「比較的安全」な国もあります。
ただし、どの国でも日本と同じ感覚で過ごせるわけではない点は忘れないでください。
ボツワナ・ナミビア|政治が安定したサファリ大国
ボツワナとナミビアは、独立以来大きな内戦がなく、アフリカの中では政治的に安定した国として知られています。
野生動物のサファリや砂漠の絶景が魅力で、観光客も多く訪れます。
ただし首都の市街地では、車上荒らしや強盗がリスクメイトにも報告されています。
ルワンダ・モーリシャス・セーシェル|清潔で治安改善が進む国
ルワンダは「アフリカの奇跡」と呼ばれるほど治安と経済が改善し、首都キガリは夜でも比較的歩きやすい街として知られています。
インド洋の島国モーリシャスやセーシェルも、リゾート地として治安は比較的良好です。
アフリカ初心者は、こうした国から訪れるのも一つの選択肢です。
「比較的安全な国」でも油断は禁物な理由
治安が良いとされる国でも、観光客は現地の人より目立ち、狙われやすい存在です。
実際にボツワナの首都ガボロネでも、邦人を狙った強盗事件が報告されています。
「安全な国だから大丈夫」と油断せず、基本的な防犯対策は必ず徹底しましょう。
ボツワナ
強盗/窃盗
訪問日
2026年
投稿日
2026年
ガボロネ市内のブロードハースト付近で、邦人を狙った強盗事件が発生しました。同様の事件に遭わないよう、細心の注意が必要です…



比較的安全な国から始めて、基本の防犯対策をしっかり守れば、アフリカの魅力を安心して楽しめるよ!




アフリカで被害に遭わないための安全対策10選


アフリカの治安が悪い理由がわかれば、取るべき対策も見えてきます。
ここでは、旅行者が今日から実践できる具体的な安全対策をシーン別に紹介します。
渡航前|外務省・たびレジ・リスクメイトで最新情報をチェック
アフリカの治安は、選挙やテロ、デモで短期間に大きく変わることがあります。
渡航前には必ず外務省海外安全ホームページで危険レベルを確認し、「たびレジ」に登録して現地の緊急情報を受け取れるようにしておきましょう。
さらにリスクメイトで、行き先の都市で実際に起きた被害の場所や手口を確認しておくと、具体的な対策が立てやすくなります。
移動|徒歩移動を避け、配車アプリは「正規の車両」か確認
アフリカの都市部では、短い距離でも徒歩移動は強盗のリスクが高いのが現実です。
移動はホテル手配の車や配車アプリを利用しましょう。
ただしケープタウン国際空港では、配車サービスを装った偽ドライバーによる詐欺も報告されています。
アプリに表示された車種・ナンバー・ドライバー名が一致するかを必ず確認してから乗車してください。
南アフリカ
ぼったくり/ 詐欺
訪問日
2026年
投稿日
2026年
ケープタウン国際空港で、Uberなどの配車サービスを装った人物による邦人旅行者への詐欺被害が相次いで発生しています。空港ターミナルでは…
持ち物|スマホは路上で出さない、ダミー財布を用意
強盗やひったくりの多くは「お金を持っていそうな人」が狙われます。
高級な時計やアクセサリーは身につけず、スマホは路上で操作しないのが鉄則です。
万が一に備えて少額の現金を入れたダミー財布を用意し、強盗に遭ったら絶対に抵抗しないことも命を守るために重要です。
人との接し方|「親切すぎる人」と「もらった飲食物」を疑う
アフリカでの被害報告で目立つのが、親切を装って近づいてくる手口です。
道案内や写真撮影の申し出、見知らぬ人からの飲み物・お菓子は丁寧に断りましょう。
特に睡眠薬入りの飲食物による強盗は、命に関わる危険もあります。
- 外務省海外安全ホームページで危険レベルを確認する
- 「たびレジ」に登録して緊急情報を受け取る
- リスクメイトで行き先の被害事例・危険エリアを確認する
- 夜間の外出と徒歩移動は避ける
- 配車アプリは車種・ナンバー・ドライバー名を照合してから乗る
- スマホ・高級品を路上で見せない
- ダミー財布を用意し、強盗には抵抗しない
- 親切すぎる声かけや見知らぬ人からの飲食物は断る
- 選挙やデモの予定を事前に確認し、群衆に近づかない
- 海外旅行保険(治療・救援費用が手厚いもの)に必ず加入する
まとめ|アフリカの治安が悪い理由を知れば、リスクは減らせる
アフリカの治安が悪いのは、貧困と格差、若者の失業、弱い警察・司法、銃器の拡散、テロ組織の台頭、政情不安といった複数の原因が重なっているからです。
一方で、54か国の治安レベルは大きく異なり、比較的安全に旅行できる国もあります。
大切なのは、行き先の国・都市で「どんな危険が、どこで起きているのか」を事前に知っておくことです。
リスクメイトには、旅行者が実際に遭遇した被害の場所や手口が数多く投稿されています。
アフリカへ渡航する前に、ぜひリスクメイトで最新の危険情報をチェックしてください。














